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企業も個人も「脱・広告」ビジネスモデル、変革の行く末

世界のデジタル広告のシェアは7割超え WPPのCEOは日本市場をどう見ている?

Mark Read氏(WPPグループ)

新型コロナウイルス感染症からの復調や、各国で行われる大型スポーツイベント・選挙などの開催を受け、2024年以降の世界の広告市場は拡大傾向にある。世界的な経済不況を目の前に、鍵を握るのはやはり、デジタル広告の拡張。世界最大の広告グループであるWPPグループのCEO、マーク・リード氏が、現在の潮流について自身の考えを語る。

デジタル広告収入は拡大し2028年には全体の75.5%へ

─世界の広告ビジネスのトレンドについて、近年の潮流をお聞かせください。

ひとつはデジタル化です。デジタル広告は、私たちの業界を大きく変えました。WPPのメディア投資グループであるGroupMの年次調査レポートによると、2023年には、世界の広告収入の70%弱がデジタルメディアに分類され、2028年にはこの数字が75.5%に達すると予想されています。

この収入には、ストリーミング・オーディオ、CTV、DOOHなど、従来のメディアがデジタル領域に拡張した領域は含まれておらず、2023年時点で、これらの売上は世界の広告収入全体の8.2%を占めています。これに対し、CTVを含むテレビは検索広告やその他のデジタル広告に次いで、世界の広告収入において第3位の規模を誇る主要チャンネルではありますが、そのシェアは17.9%と減少傾向にあります。

広告メディアのデジタル領域への拡張は、マーケティング担当者が消費者に直接アプローチし...

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