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2024年、マーケターの思考をアップデートする15の論点

多民族と市場のインサイトを深く理解したクロスカルチャー・マーケティングの重要性が増す

作野善教氏(doq)

グローバルマーケティングとは?

加速する高齢化社会、国内市場と労働人口の減少に伴い、日本企業はさらに限られた経営資源でグローバル市場への進出、あるいは増加する訪日、在日外国人をターゲットに、マーケティングにおいてもグローバル化を本格化せざるを得ません。日本市場で培った文化やサービスの特徴を活かし、外国市場や多民族消費者の特性に合わせた戦略を立案し、多様性に富んだチームの潜在的な能力を用いて最適化していく「クロスカルチャー・マーケティング」が重要になります。

アップデートポイント1

多民族消費者に最適化されたコンテンツとメディアミックス

私が住むオーストラリアは現在、国外で生まれた者または両親のどちらかが海外で生まれた者(=移民)の割合は50%を越え、人口の1/2はオーストラリア以外に祖先を持つ人で構成される市場です。この多国籍化の流れの中で、マーケティングの手法にも変化が訪れており、例えば、中華系に祖先を持つ在豪中国系マーケットは約140万人の規模であり、彼らにアプローチする場合、英語だけのコミュニケーションでも、中国語だけのコミュニケーションでも充分ではなく、両言語と豪中両文化を考慮したコンテンツ及びメディアミックスを用いたマーケティングアプローチが必要となります。母国で愛用されているメディアと豪州ローカルメディアをミックスしたり、YouTube上で英語、繁体字、簡体字それぞれの動画を配信した方が効率よくエンゲージメントが図れるなど、多民族と市場のインサイトを深く理解したクロスカルチャー・マーケティングの重要性は今後さらに高まるでしょう。

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