「宣伝会議賞」では第58回より、プラスアルファ・コンサルティングが提供する「見える化エンジン」を活用し、応募作品のテキストマイニングを実施している。第59回では協賛企業としても参加した同社に、言葉を分析することの価値について聞いた。
言葉を分析したいというニーズはコロナ禍でより高まった
マーケターの創造力を最大化するために、必要不可欠となるインプット。数値データを見るだけでは読み取れない顧客の声を、アンケートやSNSなどで寄せられた“言葉”を分析することで理解が深まっていく。とはいえ、ただ言葉を眺めているだけでは何も生まれず、組織として価値のある資産にするためには、共通言語となる材料に変換していかなければならない。
プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」は、SNS、問い合わせログ、アンケート、社内文書、日報といったビッグデータをテキストマイニングで可視化し、社内で共有していくためのプラットフォームだ。
ただ言葉を単語に分解するだけでなく、「構文解析」で語の繋がりを把握し、さらに「意味解析」によりその言葉に込められた感情まで分析ができる「見える化エンジン」。齋藤弘彰氏は、近年のテキストマイニングに関する環境変化について次のように話す。
「私たちの調査においては、定性データの重要性は着目されているものの、実際に活用できている企業は大企業であっても少ない現状です。特にコロナ禍では顧客体験価値が大きく変化。窓口や売場など対面で接する機会も減り、顧客理解が停滞してしまったという声が聞かれます。企画の立案から検証まで、あらゆる場面で“言葉を分析したい”というニーズは高まっていると感じます」。
同社が提唱するのは『顧客体験フィードバック』という考え方だ【図1】。
「商品やサービスには、届けたいと思っている価値がある。それがきちんと顧客に届いているか、どのように受け止められているかを確認しましょう、という提案です。例えば化粧品で、最も届けたい価値は色持ちの良さだった・・・