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宣伝会議賞

クリエイター100名に聞く一次審査講評(1)

『宣伝会議』3月号誌上で発表となった一次審査通過者。全応募作品の中から初めの関門を通過したのは、わずか1.06%。審査を担当した、広告界の最前線で活躍するクリエイターの皆さん100名の講評をお届けします。

CHERRY
青木一真

SNSの影響なのか、つくる人よりも、パフォーマンス上手やつくってそうな人が持て囃される時代。目立つことには目もくれず、ただ実直にコピーを書き続ける。不安や焦りと戦いながら技術を磨く。宣伝会議賞はそんなひたむきな情熱や美学を後押しし、まじめにコピーと向き合う人に光を当てる場所であってほしいです。

赤城廣告
赤城廣治

この賞をきっかけにジャンプしたいと本気で思っているなら。まずはオリエンに真正面から応えるコピーを、これでもかと書き尽くして。そこにはまだ見当たらない生活者発想、世の中との接点発想、その商品があるからこそ言える普遍発想など新しい視点のコピーを書いてみてください。僕らはそれを見逃さないよう審査します。

ガリアーノインスピレーションズ
阿部光史

広告を最終的に判断するのは一般の人です。だから応募する時には、ぜひ近くの人にコピーを見せてみてください。きっと辛辣な事を言われると思いますが、時おり「これいい!」とか「この気持ちわかる!」などの反応があるでしょう。そんなコピーが審査を通らないわけがありません。来年もいいコピー、お待ちしていますよ。

電通 関西支社
池田定博

このごろの仕事は、CMやグラフィックよりもWeb広告が多いと思います。Webは全体のイメージが面白ければ見る人も多く成功しているような気がしますが、本当にそうでしょうか。そこに一言、忘れない言葉を書いてくれるような人のコピーを残しました。

インプロバイド
池端宏介

例年通り2テーマの審査をしました。僕が通過ボタンを押したコピーは、ズバッと言い当てたもの、考えさせて腹落ちさせるようなもの、クスッと笑ってしまうようなもの、人間を肯定するようなもの、に分けられるような気がします。ぎゅっと思考して、短い言葉にすっと変換する。キャッチコピーってやっぱりおもしろいですね。

電通
石田文子

閉塞感がある日々の中だからでしょうか。シニカルでも、最終的に人間を見る目がどこかあたたかい。そんなコピーを推している自分がいました。そういう魅力的な人柄のコピーに会えた時、ニヤッと楽しい気持ちにさせてもらいました。

AO CHAN
石本香緒理

迷いのないコピーは、迷いなく選べて、スッと気持ちよかったです。そういうコピーは、ウソついてないし、ちゃんとその人の中から出てきた言葉なんだなと感じられました。毎日何を考え、どう生きているか。そこから、もう始まっているということを、迷いのないコピーたちが教えてくれました。

BBDO J WEST
今井美緒

大量のコピーの中から書いた人の肉声がするようなコピーに出会えたときは、とてもうれしくなります。上手に書けた、で満足するのではなく、どれだけ自分の本心をさらけ出せるか。結局気持ちなんだよな~と、身も蓋もないかもしれませんが、個人的には改めて思いました。

サン・アド
岩崎亜矢

「楽しそうだなあ」という雰囲気をまとうコピーは、多分書いている人が夢中になっているからで、そういうコピーはこちらの心を掴む。残る。北島マヤのオーディションと同じで(ガラスの仮面23巻)、審査員を観客=読み手の1人として捉えて書けば、それは多分すごくいいキャッチコピー。

フロンテッジ
上島史朗

選ぶ上で自然と意識したことを挙げます!◎単語レベルでも発見や新しさがあるか。◎「普通」を踏まえつつ、それを超えているか。◎字数も、理解までの時間も、長すぎないか。◎らしさがあるか。無理してないか。◎いいこと言おうとしていないか。効果や目的が見えるか。1次通過したものはどれもクリアしててビビりました。

上田家
上田浩和

審査しながらメモしたことを並べます。◎「自分らしい」の乱発。◎コピーみたいなコピーが多い。◎大袈裟すぎて嘘っぽい。◎相手を落として自分を引き立てようとするコピーが、今の空気に合わない。

UENOJAPAN
上野達生

コピーライティングにもAIの波がきています。ブログ、SNSの文章では来年には50%を超えるかもしれません。「その人なりの視点」が今まで以上にポイントになってくるはずです。コピーライターも再定義されることになりそうですね。自分自身の育て方が大事になってくるような感じがします。

フリーランス
占部邦枝

うまいこと言うなぁと思うコピーは確かに上手に書けているという意味でチェックはします。これいいなと思っても、後から同じコピーを見つけて残念に思ったり。それでも、そうきたか!というコピーに期待して審査を続けています。もちろん見つけたら、迷わず◯をつけてます。今年は、意外と迷わずに審査できたかも。

電通 中部支社
大塚久雄

自分で自分のコピーを褒める。まず褒める。いいねー。いいなー。でもこうするともっと良くなるかも。そういう言い方もアリかもね。褒めることから始めると、いつの間にか形を変えてもっと良いコピーになっている。ような気が私はします。今回もたくさんコピーを浴びて、勉強させていただきました。

O
呉 功再

コピーだけで選ばれるこの賞はコピーの可能性を思い起こさせてくれます。この賞に年一回携わって来なかったら⋯どうだろう。どうだろ。

電通
尾崎敬久

そのコピーには新しい視点や発見があるか。そのコピーは気持ちや感情を動かそうとしているか。コピーを書くこととは、その商品・サービスを手にするひと(の心)を考えること。脳と胸に来るコピーは、言葉が、なんていうか、トン!っていう存在感を放っているんです。それが僕が思う、いいコピーです。

サン・アド
笠原千昌

せっかく良いところに目をつけたのに、そこで書き上げた気になってしまう。もっとコピーとして昇華させることができるのに、書くことを終えてしまう。もったいないと思うコピーが残念ながら多くありました。そこが、抜けるか、抜けないかの線。1本のコピーを大事に、本当にこれで良いのか、何本も書いて確認してください。

フリーランス
片桐義晴

今回もいっぱいのことばを浴びて、いっぱい目薬をさしました。「筆がのる」という表現がありますが、「審査がのる」ときがあります。それは、いいコピーと多く出会えたときです。授賞したみなさま、おめでとうございます。のせてくれて、ありがとうございます。

電通
勝浦雅彦

宝塚音楽学校の受験ドキュメンタリーで、不覚にも落涙しかけました。青春の全てを試験に費やしても、18歳までに合格できなければもう道は無いという過酷さ。選ばれる幸福と、選ばれない理不尽。今回選ばれなかった皆さんへ。まだ道は残されています。チャンスは何度でもやってきます。また書きましょう。応援しています。

博報堂
川島章弘

コピーが使われる場所は多様化し、コピーはいろいろな機能を持つことになります。宣伝会議賞のコピー、いいものは光ってみえるもので、そのときは用途は考えていません。オリエンの使い方とは違うコピーであっても、どうにかなるか、どうにかしたいと思わせるものがいいコピーではないでしょうか。

博報堂
河西智彦

今年も熱量たっぷりで選ぶのに悩みました。1次通過するだけでも本当に大変なので、1次通過したときは存分に誇ってください。たぶん、1次通過、ではなく、1次ファイナリスト、という名前にしたほうがいいかもしれません。

ヤマカワ
川原綾子

大変な応募数がある宣伝会議賞です。同視点、同表現のコピーがどうしても出てきます。Webで調べるのはもちろん、店頭を見にいく、可能な範囲でサービスを体験してみるなど、身体を動かすことで、自分の想像力を超えるコピーが...

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