2月上旬に審査会が行われ、上位7作品が決定した中高生部門。グランプリ・準グランプリ・特別審査員賞を受賞した3名に、審査員長の阿部広太郎さんが話を聞きました。
応募したきっかけは 国語や社会の授業
阿部:「宣伝会議賞」に応募したきっかけを教えてください。
森川:私は国語の授業の中で取り組みました。今までは「宣伝会議賞」のことも、キャッチコピーのことも知らなかったのですが、授業でつくりかたを勉強しました。ですので今回が初めての応募です。
阿部:何本応募しましたか。
森川:粧美堂さんの課題で、2本応募しました。
阿部:2本の作品のひとつがグランプリ受賞とはすばらしいですね!
杉田さんは、前回の中高生部門で、四国銀行さんの協賛企業賞を受賞されています。
杉田:その時は高校入試を控えていて、推薦をもらうために何か賞を取った方がよいのではないか、と思ったのがきっかけでした。コピーライターという仕事の存在は知っていて、小学校の卒業文集でも、「将来はコピーライターになりたい」と書いていたんです。実際、前回取り組んでみてとても楽しかったので、また書いてみようと思って再度チャレンジしました。
阿部:本田さんは、特別審査員のSKY-HIさんが選ぶ特別審査員賞の受賞です。
本田:僕も2回目の応募で、どちらも社会の授業で取り組みました。ただ言葉を考えるのではなく、自分のつくったコピーが企業のコピーとして表に出る⋯ということを意識してつくったことが、印象に残っています。
なんで?を繰り返しながら言葉を組み合わせていった
阿部:みなさんは、どのようにコピーを書いたのでしょうか。
本田:僕は多めに応募したのですが、まずパッと思いついた言葉を、組み合わせたり、分けたりしてキャッチコピーにしていきました。
今回の課題だと、新聞を読んだ時の利点はまず、世の中を知ることができる点。その「世の中」が紙面に詰まっている⋯と考えて、「この中」と続けたら、ゴロも良くて、インパクトもあるのかなと感じました。
阿部:まず課題に対して、言わなくてはいけないことを考えて、言い換えたりしていくんですね。それは頭の中で考えるのですか?
本田:はい、頭の中で完結する感じです。授業ではiPadを使っていたので、応募フォームにそのまま打ち込みました。
阿部:杉田さんはいかがでしょうか。
杉田:私は課題が難しかったので、とにかく課題に対して思いつくものを挙げていきました。このとき、「なんで難しいんだろう?」と、自分で突っ込みを入れながら書き出していくんです。通学時間に電車の中でひたすらスマホに打ち込んでいって、その中から言葉を組み合わせていきました。
受賞した課題は、『TWOOLでふたえメイクをしたくなるアイデア』。なぜひとえじゃダメなんだろう?ひとえでもふたえでもかわいいのに、なんでふたえメイクをしたくなってしまうんだろう?と考えました。
阿部:「ひとえにもふたえにもなれるわたし。」は、まさにその多様性を言い当てているコピーですよね。どのくらいの数の作品を応募したのでしょうか。
杉田:ひとつの課題に対して1本か2本。中高生部門はほとんどすべての課題に応募しました。
阿部:森川さんはいかがでしょうか。
森川:国語の先生が毎年「宣伝会議賞」に応募しているのですが、キャッチコピーをつくることがすごく好きみたいです。授業の最初に、「僕は一般部門で応募しているけど、中高生部門なら、中高生にしか書けない作品を考えてみてほしい」と言われたんです。
それが心に残っていたので、まずは実際にTWOOLを使うシチュエーションを考えました。その様子に合った言葉を書き出したとき、似たような言葉でも意味が全然変わってくることが分かりました。いろいろなパターンを書き出してみて、一番しっくりくるのはどれだろう?と考えていきました。
阿部:受賞作品は、その言葉が生まれた情景がイメージできるコピーになっていましたね。グランプリが決まった時、先生の反応はどうでしたか?
森川:すごくびっくりしていて、私以上に喜んでいました(笑)。贈賞式のYouTube配信も、職員室でみんなで観ていたそうです。
阿部:杉田さんはいかがでしたか?
杉田:ずっと結果発表を楽しみにしていました。連絡先を...