2月上旬に行われた中高生部門の最終審査会には、特別審査員のSKY-HIさんも参加し、グランプリ各賞が決定しました。審査会の終了後、審査員長の阿部広太郎さんがSKY-HIさんに言葉との向き合い方について話を聞きました。
サークルを狭めていく作業がコミュニケーションにおいて大切
阿部:早速ですが、審査会はいかがでしたか。
SKY-HI:楽しかったです。長く続いているアワードであり、なおかつプロのコピーライターの方々と審査をするということで、初めはほんのり緊張というか、ノイズにならないといいなと、ドキドキしていました。でも作品について議論するのが、とても楽しくて、途中から最初のドキドキも忘れていました。
阿部:審査員による推したいコピーの応援合戦みたいになっていましたよね。「物議を醸したいわけではないんですが⋯」とひとこと添えながらも、率直な意見を交わしていって。非常に創造的な時間でした。
SKY-HI:そうですよね。気になるけど言わない方がいいかな、と思うこともあったんですが、最終的にはたくさんしゃべってしまって。大丈夫でしたか?
阿部:本当にありがたかったです!特にフレーズにおけるリズム感だったり、句読点の位置だったり。作者ではなく、見る側が魅力を言語化していくことで、鑑賞の仕方が豊かになっていくのを感じました。
SKY-HI:分析すると、さらに良さが出てくることってありますね。無意識的に「なんかいいよね!」と心に残るものにも、確実にロジックやテクニックがあるので、大切な作業だと思います。
阿部:秀でている部分を言葉にすることは重要です。SKY-HIさんも若い世代の方と接するとき、そうした「何か見つけてあげよう」という気持ちがあるんじゃないでしょうか。
SKY-HI:そうですね。人はテンプレートに逃げてしまいがちというか、褒めたり、ダメ出ししたりするときにも、どこかで聞いたような表現を使ってしまいがちです。でも、その言葉がカバーする“サークル”が大きくなるほど、相手の心に深くは届かなくなってくる。なので、サークルを狭めていく作業が、コミュニケーションにおいて、とても大切だと...