「雪肌精」が持つ課題感とは?解決に向けたブランドミューズとの挑戦
過去には松嶋菜々子さん、そして現在は新垣結衣さん、羽生結弦さん、永野芽郁さんといった、世の中に大きな影響力を持つ人々を広告に起用しているコーセーの「雪肌精」ブランド。同社が考える、タレントとブランドの関係性とは。宣伝部の山内鞠那氏に考えを聞いた。
メディア環境が変化している昨今、一概に「広告への起用」といっても、掲出される場やタレントに求められる役割は多様になってきている。広告起用に対するタレント側の心理について、エンタテインメントコンテンツ制作に強みを持つFIREBUGで代表取締役 CEOを務める佐藤詳悟氏に聞いた。
FIREBUG
代表取締役 CEO
佐藤詳悟氏
吉本興業にてナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号などのマネジメントを歴任後、ロバート秋山の「クリエイターズファイル」、COWCOWの「あたりまえ体操」など、新規事業プロデュースを行いヒットコンテンツを生み出す。2016年にFIREBUGを創業。様々なタレントとのパイプを生かし、多くのエンタテインメントビジネスのプロデュースを手掛けている。アイナ・ジ・エンドの「ぞうきんドッグ」やいきものがかり・吉岡聖恵ソロ曲「まっさら」のオリジナルアニメーションなど。
若者を中心にテレビからSNSへと“民族大移動”が起きたことにより、広告のキャスティングは完全に変わったとまでは言い切れませんが、大きく変わり始めていると思います。
変化のひとつは、短期的な契約が増えたこと。テレビが中心の時代は年間契約や2クール契約がタレント側の基本だったと思います。しかしSNS時代になり始めている現在は、競合縛りなどの契約がないショットでの出演も増えてきていますし、デジタル広告の運用が短期的なこともある(効率を見ながら実施継続を判断していく)ので、1カ月契約というケースも増えています。このことで、タレント側は広告がかなり身近になったと思います。
また企業側も気軽に様々なタレントを起用できるようになり、チャレンジができるようになったと思います。
2つ目はフォロワー数を参考にしたキャスティングです。テレビ時代は認知度や好感度といった指標がキャスティングの柱でした。今はフォロワー数が柱になってきています。タレントは自分で発信する技術を求められ、炎上しないスキルまで求められるようになっています。
Q1のような環境の変化にうまく適応できているタレントと、そうでないタレントがいると思います。
SNS時代に適応していこうと考えているタレントは、短期的な契約が増えたことで縛られるものがなくなるので、より多くの広告に出演でき、実際に出演している広告数は増えています。その広告はテレビには流れないかもしれませんが、様々なSNSで運用されるので、若者の認知は上がっていきます。また、その広告が面白ければ好感にもつながり、ファン化が促される可能性があるので、より前向きに広告出演をしていく流れが生まれます。
また、フォロワー数が...