企業が広告に起用するのは俳優やアイドルといった芸能人にとどまらない。博報堂DYメディアパートナーズでは、博報堂DYスポーツマーケティング、データスタジアムと共同で、アスリートの総合的なイメージを測定する「アスリートイメージ評価調査」を定期的に実施している。本調査の結果をもとに、アスリートの広告起用について博報堂DYメディアパートナーズの武方浩紀氏が現況を語る。
過去5年を振り返るアスリートイメージの変遷
アスリートを広告に起用することは、どのような価値を生み出すのでしょうか。本稿ではこの問いについて考えてみたいと思います。博報堂DYメディアパートナーズは、2008年より独自で構築したイメージ29項目により、アスリートのイメージ評価を行っています。「アスリートイメージ評価調査」は、首都圏・関西圏在住の600人に対する生活者意識調査で、主にCMキャスティングの際に使用する基礎データとしての活用を目的に、アスリートの認知度、好意度、イメージ項目を測定しています。
また、調査回ごとに旬の傾向をとらえるべく、適宜、追加しているアドホック質問もあります。アスリートランキングに加え、アドホック質問の結果も交え、これまでの調査データからアスリートの価値を考えてみたいと思います。
まず、「今年活躍した男性・女性アスリート」の2021年までの5年間を振り返ってみます【図表1】。最近5年間では、2017年~2020年までの男性アスリートの想起率1位は羽生結弦(フィギュアスケート)でしたが、2021年は大谷翔平(野球)が初めて1位となりました。女性アスリートは2017年が本田真凛(フィギュアスケート)、2018年が大坂なおみ(テニス)、2019年が渋野日向子(ゴルフ)、2020年が大坂なおみ(テニス)、2021年が伊藤美誠(卓球)と年毎に変化を見せています。