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「CMタレント」と広告効果

25年間起用し続ける菅野美穂と朝日生命が築き上げた関係性とは?

青木慎治氏(朝日生命保険相互会社)

菅野美穂さんが朝日生命のCMに初めて起用されたのは19歳の時。以来、同社のイメージキャラクターとして出演を続けている。長くCMに起用され続けるタレントと企業の関係性には、どんなストーリーが隠されているのか。同社、広告宣伝課長の青木慎治氏に聞いた。

朝日生命保険相互会社

菅野美穂


朝日生命保険相互会社では、1997年1月よりイメージキャラクターとして菅野美穂さんを起用。起用25周年を迎えた今年2022年には菅野さんが出演する生命保険商品「あんしん介護」の新テレビCMを制作。CMソングにはシンガー・ソングライター山下達郎さんの楽曲「YOU(ユー)」が採用されている。

マーケットの変遷と菅野さんのライフステージが一致

広告に起用されるタレントは、企業の「顔」となることを期待されることも少なくない。それが数十年にも及ぶ起用となれば、なおさらだ。菅野美穂さんは1997年1月から、朝日生命保険相互会社(以下、朝日生命)のイメージキャラクターを務め続けている。

菅野さんをCMに起用することになった当時の様子を、同社広告宣伝課長の青木慎治氏は、「菅野さんは当時、NHKの朝ドラのヒロインに抜擢され、翌年にはドラマで注目を浴びるなど、男女を問わず高い人気を誇っていました。この頃の当社のメインターゲットはこれから家庭を築こうとしている20~30代。若年層の方々に生命保険を自分ゴトとしてとらえていただくため、若い世代からも人気が高い、当時19歳の菅野さんを起用しました」と話す。

その言葉を裏付けるように、当時の社内報には「菅野さんの起用で、企業イメージのリフレッシュと、若年層への訴求力のパワーアップを図る」と書かれている。

現在に至るまで25年間、菅野さんを起用し続けてきた朝日生命。その理由について青木氏は、保険業界の変遷をもとに次のように説明する。

「高齢化などにより、生命保険を取り巻くニーズや環境が変化してきた中で、当社のマーケティングも徐々に高い年齢層へシフト。現在は“介護保険”マーケットに注力するようになったこともあり、メインターゲットが40歳以上となっています」。

20年以上の歳月を経て、菅野さんも40代に。今では家庭を築いていることも含め、同社のマーケティング戦略にマッチした形でライフステージを...

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