メディアの調査・分析を行う、ニホンモニターでは、2008年からタレントのテレビCM起用社数ランキングを発表しており、タレント起用の動向を知る術として多くの企業で活用されている。2022年上半期の結果をもとに、代表取締役の韮澤美樹氏が現在のトレンドを解説する。
長期起用が多くランクイン 日本の広告にタレントが多い理由
2022年上半期CM起用社数ランキング【図表1】では、長期起用のタレントが多くランクインしていました。7社以上に起用されたタレント34人のうち、8割にあたる27人が5年以上同一企業のCMに、うち14人は10年以上、同一企業のCMに出演しています。長期にわたり同じ企業のCMに起用されているということは、リスク管理の意味で信頼できるタレントという評価になるでしょう。堅実な選択をした企業が多かったと言えそうです。
日本は他の国に比べて有名人を起用したCMが多いです。2000年に発表されたアメリカなど6カ国と比較した研究によると、日本が最も多く47.62%、次いでアメリカが20.69%、フランスが15.57%となっています※。ニホンモニターのCMデータベースを集計したところ、この10年間でタレントを起用したCM素材は、全素材のうち40%~44%となっており、大きな変動は見られませんでした【図表2】。
業種によってタレントと広告の関係性は、切っても切れないものとなっています。広告にタレントを起用するかどうか判断する際、競合する商品やサービスの広告でタレントを起用していれば、「自社でも」...
あと60%