過去には松嶋菜々子さん、そして現在は新垣結衣さん、羽生結弦さん、永野芽郁さんといった、世の中に大きな影響力を持つ人々を広告に起用しているコーセーの「雪肌精」ブランド。同社が考える、タレントとブランドの関係性とは。宣伝部の山内鞠那氏に考えを聞いた。
「雪肌精」は今年6月よりブランドコミュニケーションを刷新。新垣結衣さん、羽生結弦さんを起用したキービジュアルも発表し、「植物由来」と「ジェンダーレス」をテーマにブランド価値の発信を行っている。
新コミュニケーション始動 38年目の「雪肌精」が原点回帰
コーセーのスキンケアブランド「雪肌精」は、今年で発売38年目となるロングセラーブランド。ブランド認知率は非常に高く、日本国内にとどまらず、世界でも愛されるブランドとなっている。2020年にはリブランディングを実施。従来からのファンを大切にしながらも、新しい顧客層を獲得するため、変化し続ける肌環境に寄り添う「雪肌精 クリアウェルネス」シリーズを新たにラインアップに加えた。
そんな「雪肌精」には、ロングセラーブランドであるが故の課題があったという。コーセー宣伝部の山内鞠那氏は次のように話す。
「『雪肌精』は、皆さまに非常によく知られているブランドですが、ブランド名の認知率と比較すると、商品特長まで理解して購入されている割合は低い状態でした。また、『薬用 雪肌精』のイメージが強いこともあり、発売から日が浅い『クリアウェルネス』シリーズは、十分な認知が獲得できている状態とは言えません。そこで、改めてブランドの価値を見つめなおし、これまで『雪肌精』が培ってきた資産を活用し、発信していきたいと考えました」。
複数あった「雪肌精」ブランドの価値の中でも、特筆すべきは和漢植物のエキスを配合し、“植物生まれの透明感”を叶えるその効能にある。それらを改めて訴求するため、今年の6月にブランドコミュニケーションを刷新。新垣結衣さん、羽生結弦さんを起用した新キービジュアルを公表し、さらに2人がそれぞれ出演するテレビCM「雪肌精『地球生まれの透明感』新垣さん篇/羽生さん篇」を放映した。
羽生結弦の起用による自然なジェンダーレス発信
新たなコミュニケーションについて山内氏は、「国内外、年代、性別を問わないグローバルブランドとしてプロモーションを展開しています。もともと『雪肌精』には男性ユーザーも相当数いたのですが、コミュニケーションの中心は女性でした。ジェンダーレスブランドとして育てていくため、男性に向けたクリエイティブや広告配信の設計をより強化することにしたのです」と話す。
羽生さんのキャスティングにはブランドが持つイメージを男性に対しても自然に開放していくことも...