不正な手法でインターネットの広告費を搾取するアドフラウド(広告詐欺)は日本の広告業界においても広く認識されるようになっている。「Spider AF」は大手企業や国内主要アドネットワークが導入するアドフラウドの検知ツール。アドフラウドを排除することで無駄な広告費を削減するだけでなく、ブランドも保護するという。導入事例について、青山商事デジタルコミュニケーションヘッドオフィスの藤原尚也氏に話を聞いた。
重要なのは継続した取り組み 小さな無駄でも改善し続ける
「Spider AF」は、広告流入時のクリックやその後のコンバージョンデータを機械学習で分析して、アドフラウドを検出するツール。
Spider Labsの調査レポートによると、「Spider AF」が2020年7月から12月の半年間で解析した4400万件のうち、約17.9%の790万件がアドフラウドだった。1インストールあたり500円で換算するとおよそ39.5億円規模のアドフラウド被害が発生していることになる。同社カスタマーサクセスの粟田氏は、「アドフラウドは企業のマーケティング予算を無駄にするだけでなく、ブランドイメージも毀損します」と話す。
「Spider AF」の導入企業である青山商事では2019年、DM中心のコミュニケーションから、テレビとデジタルを連動したWebコミュニケーションに移行する改革に取り組み、2020年4月にはデジタルコミュニケーションヘッドオフィスを立ち上げた。ゼネラルマネジャーの藤原尚也氏によると、本格的にWeb広告の出稿量を増やすにつれ、アドフラウドやBot問題を危惧するようになったという。
そこで昨秋「Spider AF」でトライアル調査を行ったところ、ブランドイメージにそぐわない媒体に広告が掲示されていることが判明。今年2月に本格導入した。
「Spider AF」の特徴は機械学習を活用したチェックと専任チームが目視で細かくチェックする2段階でブランドセーフティを行うことだ。
「2021年2月の分析結果では、Googleディスプレイ広告において無効と思われるアクセスが約8割減少しました。あくまでも『Spider AF』のアルゴリズムで算出した数値ですが、これだけで年間100万円を超えるコスト削減が見込めるという結果が出ました」(粟田氏)。
藤原氏は「デジタルの利点は成果が数字で可視化されること。どんな小さな無駄でも改善し、それを継続していくことが重要です。今後はデジタル広告をひとつのコンテンツとして見てもらえるようにこだわってつくりたい」と意欲を燃やしている。
アドフラウドは手の打ちようがないと諦めるケースや、被害を受けていることに気づいていないケースがあるという。粟田氏は、「我々は『SpiderAF』で対策を提示するだけでなく、デジタル広告業界の環境を改善したいと思っている方々と一緒に不正に立ち向かっていきたいと思っています」と語った。

青山商事
藤原尚也氏

Spider Labs
粟田哲哉氏

お問い合わせ
株式会社Spider Labs
URL:Spideraf.com
TEL:03-6419-7946
E-mail:sales@spider-labs.com
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