「マーケターの集合知で日本に突き抜けた成長力を生み出す」ことを目的に設立された「JAPAN CMO CLUB」。すでに参加メンバーは90社を超えている。今回は次世代CMOの育成を目的に、スピンオフ企画として実施された第3回「CAMP TOKYO」についてレポートする。
異なる職場でも活躍できる環境適応力を養うには?
2014年11月6日に発足し、5年目を迎える「JAPAN CMO CLUB」は、次世代CMOの育成と学びを提供する場として「CAMP TOKYO」を開催してきた。1月16日には3回目となる「CAMP TOKYO」を東京・TRUNKで開催。当日はランチの時間を挟み、2つのパネルディスカッションを実施した。
「JAPAN CMO CLUB」CMOの加藤希尊氏は、開催に先立ち「これまでの『CAMP TOKYO』での計4回のパネルディスカッションの議論を踏まえ、今日は『新たな気づきがあること』『リアル・具体的であること』『適応・適用可能・再現性があること』の3点に注力してディスカッションを進めていきたい」と説明した。
第1部のパネルディスカッションでは「究極の熱狂ファンをつくるには」をテーマに、ニューバランスジャパンの鈴木健氏、フェラーリ・ジャパンの遠藤克之輔氏が加藤氏のモデレートのもと、議論を繰り広げた。国内外のマーケティングに関わる数々の文献にも精通する両氏からは、様々な理論や定義が披露されたが、そのひとつがブランド論の研究者である、カプフェレ教授の理論を遠藤氏が自身の考えを加えてカスタマイズしたフレームワークだ。
絶対的、情緒と感性、特定性、神秘性、限定性の5つの要素をラグジュアリーブランドが成立する要件であるとし、この要素は熱狂を生むという観点でも活用できるのではないかとの提示があった。この提示を受け、鈴木氏からは絶対的という要素はラグジュアリーブランド以外でも応用できるのではないか、との考えが示された。
第2部では、「マーケターの多様な働き方」をテーマに東京個別指導学院の早川剛司氏とビーケージャパンホールディングス(バーガーキング)の大谷弘子氏が登壇。ともに複数の会社でマーケティングの仕事を担当してきた二人。新しい会社に移籍した際、あるいは同じ会社内でも異なる部署に異動した際、マーケターはどのように環境に適応して、パフォーマンスを発揮できる土壌をつくるかが本セッションのテーマだ。
二人の話からは「現場をよく見る」「自分の意見を言う前に聞き役に徹する」「企画が実現した際のゴールイメージを周囲と共有する」などの共通点が見えてきた。
所属する組織の戦略立案に役立つ第1部、マーケター個人として自身の働き方のヒントになる第2部と、テイストの異なる2つのセッションを通じて、CMOのあるべき姿を参加者とともに考える1日となった。
「JAPAN CMO CLUB」の活動報告は、随時、宣伝会議運営のWebメディア「アドタイ」にてレポート中です。
http://www.advertimes.com/special/cmoclub/
(本組織はセールスフォース・ドットコムと宣伝会議が共同で設立したものです)