大広は9月7日、宣伝会議中部本部にて、「BtoB企業におけるデジタルマーケティングの実践と課題」と題するセミナーを開催。マーケティングの主軸をアナログからデジタルに移行するBtoB企業の現状や、デジタルへの移行にあたって生じる課題の解決策について講演した他、5名のパネリストによるパネルディスカッション形式での意見交換を行った。

第2部、大広 名古屋支社 カスタマープロモーショングループ デジタルマーケティングチーム チーフプロデューサーの露 雅弘氏による講演。
名刺を使ったABMで見込み顧客を育成する
第1部では、村田製作所の内海克也氏が、「統合プロモーションへの道」と題し、同社が進めるプロモーションの一元化について解説した。
村田製作所では、これまで個々に動いていたプロモーションのプランニングやマネジメントを統合。2つの役割と2つのフェーズ、4つのステップからなる統合プロモーションとして、目的に応じた最適な手段を選定することで、効率的にプロモーション効果の最大化を図っている。統合プロモーションの事例として、ユーザー行動に合わせて送るプログラム型のメールとバナーを使ったLPWAモジュールのプロモーションを紹介した。
「プロモーションのターゲット選定には、営業が持っているリード情報を使うのが最も有効。企業のことをよく知っている相手に対して、プロモーションしない手はない」(内海氏)。
第2部では大広の露雅弘氏が、「デジタル技術とアナログ施策の融合による顧客アプローチの強化」として、BtoBマーケティングとABM(アカウントベースドマーケティング)の親和性を紹介。「投資効果が把握できる」「資源を集中できる」「方策が精緻化・最適化できる」「営業とマーケティング部門の足並みがそろう」といった特徴を持つABMの手法について説明した。
展示会などで獲得した名刺を始めとするリード情報をセールス部門により貢献できる形で、効果的に用いる方法として、サイトにアクセスした個人を判別して自社に対し興味を持っている企業を抽出。そのうえで、開封率を上昇させるポイントを抑えたメールや、外部リソースを使ったアナログ手法を用いた効率的な営業方法を紹介した。
「ABMと相性の良い状況は2種類ある。競合の激しい大口顧客に対し資源やコストを集中する状況と、類似した特徴を持つ企業・顧客グループをターゲットに無駄のないアプローチをする状況」と露氏は昨今、日本のBtoB企業でも実践が広がるABMについて解説した。
第3部では内海氏・露氏に加えて、河村電器産業の田中美奈氏、日本特殊陶業の小山康則氏、デンソーの武政智之氏というマーケティング最前線で活躍する3名をパネリストとした5人で「デジタルの活用 各社の目的と戦略」について語り合った。
田中氏は、自社のサイトをリニューアルし、問い合わせページのビュー数が1.9倍になった事例を紹介。所属事業部でデジタルマーケティング施策をひとりで担当する小山氏は、事業部に担当者がひとりしかいないコンテンツマーケティングのリスクについて内海氏・露氏に質問。武政氏は、採用や仲間づくりに向けた技術紹介のWebサイトや企業公式SNSを運用した効果と感想を述べた。
最後は、マーケティングの担当者としてセールス部門とどう関わっているかを5名ぞれぞれが語り、セミナーを締めくくった。
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