フォワードは7月25日に「周年ブランディングの進め方」セミナーを開催した。周年事業を一過性のイベントではなく、社員の意識や行動を変革する機会として活用するためにはどのように企画するべきか。周年事業の成功事例を持つサイボウズと森永乳業の担当者を交えて、周年事業への取り組み方を指南した。
周年イヤーの前後含めて社員を巻き込む
第1部ではフォワードの代表取締役 加藤明拓氏が登壇。周年事業の考え方、コンテンツのつくり方、社員の巻き込み方など周年事業の手法論について講演した。
ここ数年、インナーブランディング施策を絡めた周年事業に関心を持つ企業が増えていると語る加藤氏。その背景にあるのは、技術革新、グローバル化など目まぐるしく変わる外部環境による経営戦略の変更が原因だという。
「戦略はロジックと経営層の意思決定で描くことはできるが、それを遂行する上で、組織に属する人たちのベクトルを合わせることの方が難しい。そこで社員に目指す方向性を理解してもらうために、周年をインナーブランディングに活用する企業が増えている」と語った。
また、同氏はインナーブランディングを目的とした周年事業を成功に導く3つのポイントとして、(1)目的とゴールを明確にしたコンテンツ企画、(2)メッセージを多角的に伝え、経営陣も含めて多くの人を巻き込む、(3)メッセージを継続するために、周年イヤーに加えて、プレ周年、ポスト周年を含めた企画、を挙げた。
第2部ではサイボウズの杉山浩史氏、森永乳業の久芳直樹氏を交えパネルディスカッションが行われた。
サイボウズは2017年に創業20周年を迎えた。周年事業をお祝いだけなく、「ブランド施策の新たなチャレンジ」と捉え企画を進めたという。「働き方改革」をテーマに、"サイボウズらしさ"を判断基準として、企画に取り組んだ。「働き方改革にはセンシティブな側面もあるので、アニメを手法として使い、問題提起した」と杉山氏は語った。
同じく2017年に創業100周年を迎えた森永乳業は、インナーに向けたプロジェクトを推進。久芳氏は「社員の団結力の醸成を目的に、これまでの経営理念やコーポレートスローガンなどを改めて見直して体系化し、シンプルなものにした。策定の段階から役員だけでなく、多くの社員の巻き込み『共創』を意識してプロジェクトを進めた」と話す。
終わりに、加藤氏は「周年プロジェクトでは、全ての人を意識し過ぎるよりも、"最初の2割"を強く巻き込むことが大事。」と語り、セミナーを締めくくった。
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