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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

データを基にクリエイティブを改善、動画広告ならではのクリエイティブ

中田大樹氏(CyberBull)

今月のテーマ:動画広告におけるクリエイティブ

モバイルシフトが進んだ今、従来のテレビCMの映像とは異なる動画コンテンツの見せ方が必要になってきています。そこで、スマートフォンという接触環境において、ユーザーの心を引き付ける動画広告ならではのクリエイティブについて、宣伝担当者が意識するべき心構えや取り組み方を中心に解説します。

    「動画広告のクリエイティブ」では、ここがポイント!

  • デジタルメディアには"運用"が欠かせないことを認識する。
  • KPIは、可視化できるデータの中で最も売上に相関性があるものを複数選定し、運用しながら絞り込む。
  • 珠玉の1本でなく、複数の動画クリエイティブを用意し、見飽きられないコンテンツづくりに注力する。

急成長を遂げる、国内の動画市場

動画広告の市場は、Wi-Fi環境の整備やスマートフォンの普及により近年、大きく成長をしている市場です。サイバーエージェントの国内インフィード広告の市場動向調査によれば、2017年の国内動画広告市場は1374億円と、前年比163%の成長を遂げました。

では動画広告の普及はどのような変化をもたらすのでしょうか。まずひとつに、届けることができるコミュニケーション量の増加です。これまでのインターネット広告は静止画が主流でしたが、フォーマットが動画にシフトすることで、伝えることのできる情報量は劇的に増加します。デジタル上でもテレビCMと同じだけ深くコミュニケーションをとることができるようになるのです。

もうひとつは、データを基にしたコミュニケーションの最適化です。インターネット広告はマス広告にはない特性を持っています。例えば、データに基づいたターゲティング配信の仕組みや、視聴態度のデータを可視化する、などです。デジタルの特性を生かせば、伝えたい相手に応じてコミュニケーションを出し分けることができますし、広告配信期間中であってもデータに応じてリアルタイムにPDCAを回し、より最適化させることができます。

これらの特性から、デジタル活用の事例は増えていますが、訴求力やリーチできる母数で見れば、まだまだマス広告の持つ影響力には敵わないのが現状です。つまり、マーケティング活動でデジタルを活用する場合でも、デジタルとマスの特性を活かした融合(デジタルミックス)の考え方は欠かせないものなのです。

インフィード広告の市場はこの2年で6.4倍に成長

動画広告と言ってもさまざまな媒体やフォーマットが存在します。せっかく動画広告に投資するならば、それぞれの特性を理解しておきましょう。

まず、動画広告には大きく「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の2種類があります。インストリーム広告とは、動画コンテンツの前後や中間に挿入される動画広告で、代表的なのはYouTubeです。動画コンテンツの視聴を目的としたユーザー向けのフォーマットなので、音声ありで再生されやすいのが特長です。

一方、アウトストリーム広告とは、動画コンテンツ以外の面に配信される広告を指します。中でも、SNSのタイムラインやニュースメディアのフィード内に表示されるインフィード広告が多く活用されています。これは違和感が少なく情報を届けやすいためで、市場規模も拡大しており、前述の市場動向調査によれば、2015~2017年のわずか2年で6.4倍の成長を遂げました。

完全視聴単価や視聴率、PVは運用最適化のツールにすぎない

デジタル活用の目的は、企業によって多岐に渡ります。例えば、テレビでは届かない層にデジタルでリーチ補完する施策や、マス=浅く広く商品認知させる、デジタル=商品の深い内容理解をさせるなど目的ごとにマスデジタルで役割分担するコミュニケーション補完施策。企業のビジネスモデルや商品のマーケティングフェーズによって目的も使い方もさまざまです。

そういった背景を受けクライアントからは、「動画マーケティング施策の指標(KPI)をどこに置けばいいかわからない」という相談が寄せられますが、私は目的に応じてKPIをオートクチュールで設定することが重要と考えます。

では、KPI設計において大切するべきことは何か。それは、売上(あるいはその他のビジネスゴール)から逆算した際の最大公約数となる変数になっているか、ということです。

完全視聴単価や視聴率、PVなどの数値はあくまでも広告の運用を最適化させるための変数なので、マーケティングの最終ゴールである売上などに直結する議論ではありません。とは言っても、売上に直結したかのデータを計測するのは難しいので、可視化できるデータの中で最も売上に相関性があるものを複数、指標として設定し、運用のPDCAを回していくことが大切です。

例えば当社では、仮説となるKPIを複数用意し、売上との相関性に関するデータを溜めてKPIが適切かどうか検証していきます。

具体的には、店頭で販売される商品の場合は、購買意欲の促進が売上と相関性があると仮説立てます。そして実際にデータを蓄積して相関性があることを証明。購買意欲の変化をKPIに設定し、動画広告を視聴した人の購買意欲がどれだけ向上したかを軸に施策を評価して、PDCAを回します。

一方、Web上に販売チャネルがある場合、Web上における刈り取り施策(検索連動型広告等)への間接効果(CTRやCVR)の可視化や、指名検索数へのリフトアップ効果をKPIに設定することがあります。媒体やデバイスを横断したクロスデバイス、クロスメディアでのキャンペーンでは効果の可視化が難しいという問題は残りますが、現状の計測環境でできるKPI設定を策定し、しっかりとPDCAが回ること、売上との相関性がある最大公約数を綿密に設計する事が重要です …

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