チョコレート、ビスケット、スナックなど菓子市場が伸びている。少子化が進み、菓子には逆風と思われるなかで、売上を支えているのがシニア層。その実態について、大日本印刷 包装事業部の滝沢雅夫氏が、首都圏400世帯の食卓データベース「食MAPデータ」※をもとに分析する。
※食MAPとは⋯食品の購買から、調理、消費までをパネル形式で調査した、首都圏30km圏内在住400世帯の食卓データベース。1998年から毎日の食データを蓄積しており、POSデータではわからない食生活の実態をとらえている。(食MAPおよびTI値はライフスケープマーケティングの登録商標)
60代以上は5年連続で伸長 10代に次ぐ、喫食回数
(図1)は食MAPデータで年代別に1000食事あたりの菓子の喫食回数の5年推移を見たものである。全体としては横ばい傾向にあり、喫食回数の多い年代はやはり10代未満~10代の若年層であるが、注目すべきは60代以上における5年間の伸びである。同年代の菓子を食べる頻度は、2016年においては10歳未満と10代に次いで多くなっている。
(図2)は60代以上における、食シーンに菓子が登場した回数と、全体回数から割合を導き出した推移になる。菓子のため「間食・夜食」の喫食比率が高いが、全世代の別データと比較すると「朝食」「昼食」「夕食」時の比率が高い。別の分析結果から、菓子と同時に主食、主菜などのメニューが登場していることも分かる。つまり食事に菓子をプラスして楽しんでいるのである。
では、シニア世代はいったいどのような菓子を食べているのか。直近5年間で、食シーンごとに伸びている菓子について上位を並べた(図3)。「昼食」では「スナック」系や、「せんべい・おかき・あられ」など、比較的お腹にたまるものが上位に位置している ...