現在では多くの企業で採用されるようになったブランドマネージャー制度。日清食品ホールディングスは先駆的に採用し、現在では同制度の成功企業として知られる。同社のブランドを統括する代表取締役専務取締役の安藤徳隆氏に、同制度における取り組みについて聞いた。
安藤徳隆(あんどう・のりたか)
1977年生まれ。日清食品ホールディングス代表取締役 専務取締役CSO(グループ経営戦略責任者)兼 マーケティング管掌。
非効率や不公平は大歓迎
ブランドマネージャー制度では、それぞれのブランドの利益を最大化させるため、「ブランドカンパニー」としてチームを形成する。安藤氏は同制度の採用について、「自社内でつぶされるようなブランドでは外でも通用しない。社内競争を激化させたいという狙いがありました」と語る。
同社のブランドチームは一つのブランドにつき平均で4名。ブランドマネージャーには「ブランドカンパニーの社長」としての役割が与えられている。「ブランドマネージャーは、宣伝や営業、開発などの12のプラットフォームとの交渉を担います。また、多くの企業は商品の原価を社内でも開示していませんが、当社ではブランドチームで売上と利益を管理できるシステムも確立しており、経営視点の判断力も要求されます」。
同社のブランドマネージャー制度における最大の特徴は、徹底した社内競争だ。社内のスローガンは「カップヌードルをぶっつぶせ」。ブランドマネージャーは全社的な利益は顧みず、あくまで自分のブランドの成功だけを考えればよいのだという。「各ブランドチームは、必要に応じて新製品委員会でプレゼンを行うことができます。そこで最終承認さえ得られれば、何でもありというスタンス。例えば、カレーメシなどのブランドを持つごはんチームが、カップヌードルのブランドを使いたいというようなケースもあります。そうしたブランドの貸し借りも、ライセンス料を支払えば問題ありません」。
ブランドを統括する経営陣の立場からすれば、こうしたプロセスは非効率ではないのか。「当社では効率性や公平性は一切追求しません。ブランドマネージャー同士で情報を隠し合うこともあり、同じような調査を会社としてダブルコストで行っているケースも少なくない。それでよいものができるのであれば、そうした非効率や不公平は大歓迎です」。
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