報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
DONUTS『Zipper』DATA | |
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原宿ファッションの様々なブームを生み出して来た『Zipper』。1993年の創刊後、2017年12月発売号をもって惜しまれながら休刊。4年のときを経て、2022年3月に季刊誌として復刊した。
現在の読者のボリュームゾーンはZ世代だが、学生時代に『Zipper』の愛読者だった30代や、母親が読者だったという10代まで幅広い。『Zipper』のファッションスタイルや世界観に共感してくれる全員がターゲットだ。
原点であるストリートスナップ
創刊当初から「個性を大事にして、自分らしくおしゃれを楽しもう」と提案をしてきた同誌。新生『Zipper』では新たに「ファッションクリエイターズ・マガジン」をコンセプトに掲げる。
編集長の森茂穗氏は「人と同じものを追い求めていた時代から、今は自分らしく『私はこれが好きだ』というものを発見しようする時代になっていると思います。自分らしいおしゃれを発信して、新しいファッションの定義をつくっている人に誌面に登場していただき、『Zipper』の世界観に共感してくれる人たちをどんどん増やしていければと思っています」と語る。
復刊第1号となる2022年春号の第1特集では、『Zipper』の原点とも言える原宿でのストリートスナップを掲載。大きな反響が寄せられた。
誌面にはSNSで人気のインフルエンサーや配信者も多く登場する。一方で、森氏はある読者から言われた「SNSで人気の子を出すのはどこでもできるから、そうじゃない人を発掘してほしい」という言葉にはっとさせられたという。
「『SNSは苦手だな、向いていないな』と思っている人たちや、自分のファッションスタイルを表現する場所を探している人たちがのびのび自己表現できる場所に『Zipper』がなっていければと考えています。独自の発掘をしていくためにも、『Zipper』らしいスナップはより力を入れていきたいですね」。
「ニーズ+α」の新しい切り口を
編集部員らで『Zipper』が好きな人が集まりそうな街に実際に繰り出し、スナップや街頭インタビューで企画のヒントを掴んでいる。また、撮影現場や読者会などで...