報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
宝島社『smart』DATA | |
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20代男性をメインターゲットに、「新世代のためのストリートバイブル」としてファッションや美容、カルチャーなどの情報を届けている『smart』(宝島社)。旬の俳優やアーティスト、YouTuberなど、Z世代から支持を集める著名人が多数登場する特集も、人気コンテンツのひとつだ。
2022年11月号から、編集長交代に伴い誌面もリニューアル。バッグや財布といったアイテム付録をやめ、ファッションやメンズ美容のページを拡充して「誌面の原点回帰」を図っている。
“ミックス感”を受け継いでいく
新編集長の鈴木香奈子氏は、2010年の入社以来13年間『smart』一筋で編集を続けてきた。「『smart』はファッションだけでなく、様々なカルチャーを取り入れたミックス感が魅力です。1995年の創刊以降、裏原宿のストリートカルチャーブームから始まり、私が入社した2010年以降はアイドルやアニメ、現在は男性アイドルやK-POPなど、時代のトレンドを積極的に紹介してきました。カルチャーネタをファッションや美容と組み合わせて独自の世界観をお届けするなど、『smart』らしい企画を常に考えています」(鈴木氏)。
鈴木氏はこれまで主に芸能やブランド特集を担当してきたことから、リニューアル後も「かっこよさ」を追求した圧倒的なビジュアルに力を注いでいる。リニューアル後の反響は上々で、書店やクライアント、読者からも好評の声が上がっているという。
「『ビジュアルが変わったね』『写真がかっこいい』と言っていただくことがとても増えました。『業界が大変な時代ではあるものの、それでもファッションに力を入れていこうという気概が素晴らしい』とクライアントやブランドの方には喜んでもらえていますね。読者の方からは、Twitterなどを見ていると、写真の良さやコンテンツの拡充について好評をいただいています」。
ファッション以外も幅広く掲載
編集会議は毎週実施。「新生活」「夏休み」など季節ごとの大きなテーマをベースに、各編集部員が企画書を提出する。「しっかりした企画書でなくても、『この人に取材してみたい』『今このジャンルが流行っているらしい』など、企画の種をたくさん出してもらうようにしています」。
プレスリリースから記事化をすることも多い。特に、『smart』の公式ウェブサイト『smart Web』は現在、月に約150本の記事をアップし、発信する情報量を...