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メディアの現場から

トラッドスタイル好きな男性へ 辞典のような存在の雑誌に

ヘリテージ『2nd』

報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。

ヘリテージ『2nd(セカンド)』DATA

  • 発売日:毎月16日
  • 発行部数:5万部
  • 創刊:2007年
  • 編集体制:編集長1人、副編集長1人、編集部員2人、外部ライター約5人。
  • 「男性にとって、平日の仕事服が1st(最重要)だとしたら、休日のカジュアル服が2nd(2番目)」。『2nd』(ヘリテージ)は、休日に着るカジュアルスタイルを提案するファッション誌だ。2007年の創刊当初から、時代の変化でも変わらない普遍的で伝統的な「トラディショナル」や「クラシック」といったスタイルを軸にしている。

    主な読者層は、35歳~45歳の男性だ。一方で、1960年代や1980年代に起きた「アメリカントラディショナル」ブームの当時を知る70代~80代や、現在のアメカジや古着ブームを楽しんでいる20代からの支持を集めている。あらゆる世代の“洋服好きな人”のための雑誌だ。

    辞書や教科書のような存在に

    「『知』は服をもっと楽しくする。」というコンセプトのもと、洋服好きな読者の知識欲を満たすような密度の濃い情報を毎号届けている。副編集長の上田和輝氏は「知識欲を満たしてくれるものは『常に手元に置いておきたい』と思いますよね。家の本棚に挿してあって、気になったときに辞書を引くように『2nd』を開いてもらいたい。その保存性はウェブではなく紙の雑誌ならではの良さです」と語る。

    2022年5月号では、「アメリカントラッドの教科書。」と題して、創刊当初から謳い続けてきたテーマである「アメリカントラッド」について深掘り。創刊15周年記念として、通常よりも100ページ増の242ページにもわたる特大号で届けた。また、2023年4月号「クラシックアイウエアの熱狂。」では、メガネにまつわる企画だけで80ページも特集。業界人の私物取材やスタイリング提案といったおなじみの企画から、ニューブランドや新たにオープンしたショップの紹介、「国別メガネの違い」の解説まで行った。

    「今季のトレンドを追いかけるわけではなく、何十年も履いてほしい革靴を紹介するなど扱っているものが元々古いからこそ、内容が古くならないんです。だからこそ読者も『これは持っておきたい』という感覚で買ってくださっているのでは」。

    2022年6月号のリニューアルによって、同誌は“見た目”が大きく変わった。価格を780円から1100円に上げる半面、約60ページ増量し、雑誌の判型も大きくして、用紙のクオリティも上げた。用紙代や印刷代の値上げによるコストアップで、休刊したり極端にページ数を減らしたりする雑誌も相次ぐ中、『2nd』はあえてその逆を行く方針を...

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