800近くある国公私立大学が受験生や資金を求めて競争する教育現場。スポーツ選手を多く輩出する東洋大学で広報を務める榊原康貴氏が、現場の課題や危機管理などの広報のポイントを解説します。
熱狂とともに幕を閉じたリオデジャネイロ大会。東洋大学では5人の現役学生が選手として参加しました。東洋大学始まって以来の派遣人数で、日本体育大学に次ぎ、早稲田大学とともに2番目に多い規模だそうです。
申請や時差などの問題を解決
多くの選手を派遣するにあたり、今回東洋大学では初めてパブリックビューイングを実施しました。実はこれにはそれなりの準備が必要。テレビの映像をプロジェクターで映し出せばいいと思われがちですが、放送権の関係でオリンピック組織委員会と放送を行うNHKに対する申請が必要なのです。その許諾にかかる期間はおよそ4週間。派遣選手の確定や放送時間帯が明らかになる7月初旬から運動部を所管する学生部と協同で準備を始めました。
当初、リオと日本の間にある12時間の時差によって、競技が行われる時間帯がうまくかみ合わないのでは? と予想されていました。しかしそのような状況の中で、大規模に開催できそうな日程がありました。開会2日目である8 月7 日(日)に行われた、文学部英語コミュニケーション学科4年生の萩野公介君が出場する競泳男子400メートル個人メドレーです。日本時間で午前中に開催されるという好条件、かつメダル獲得の期待がかかる萩野君の出場。関係部署との準備にも熱が入ります。
実はこのパブリックビューイング自体 …
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