インナーコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回はヤマハのグループ報制作の裏側に迫ります。
ヤマハ
Symphonia
ヤマハが発行する『Symphonia(シンフォニア)』は、 国内グループ社員と海外駐在員、OB会会員が読むグループ報だ。印刷と文字校正以外はすべてヤマハグループの内製で、広報部の専任1人が企画立案や原稿執筆を担当。レイアウトや工程管理はグループ会社で専任が1人、兼任が2人で担当している。
2014年5 月号からは大幅な誌面リニューアルを実施。同時に従業員へ情報を提供している紙とウェブの役割も見直した。まず、それぞれの媒体特性を整理し、紙媒体である『Symphonia』は、「トップメッセージをじっくり読ませて浸透させる」「グループの絆を強化するための社員目線の企画を発信する」という点に特化させた。ウェブ版の「Y-onSITE」は、連結部門長会議での社長メッセージや外部リリースなど、速報性が重視される情報を発信する、『Symphonia』に掲載しきれなかった社員が主体となるトピックスを紹介するツールとして位置づけている。
編集方針は「読みたい誌面、(自分が)出て嬉しい誌面、読んでためになる誌面」。多くの社員を紹介することを心がけ、特集では企業風土をつくる土台となる「ヤマハフィロソフィー」を伝える。「理念をそのまま掲載するのではなく、理解しやすい企画にしようと工夫しています」(編集長)。
社員が主体的に考え、行動につなげてらうための「感性に訴えるような企画にしたい」という想いで始まったのが、グループに縁のある著名人へインタビューする記事「トークマイドラマ」だ。困難への対処法や自分が成長するために必要なことなど、従業員の行動指針である「ヤマハウェイ」が浮かび上がるような読み物に仕立てており、社員からの反響が高い
さらに、製造部門に光を当てた連載「輝くつくる力」では、毎回社長自ら掲載された現場に足を運び、社員と言葉を交わしている。「社員のモチベーションアップを目指し、誌面と現場をつなぐ企画で、実際にすごく喜ばれているようです」。現在は各拠点からの取材依頼が増え、「“出て嬉しい” という方針に対しては手応えを感じられるようになりました」。
今後の課題は...