インナーコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回は明治ホールディングスのグループ報制作の裏側に迫ります。
明治ホールディングス
『あ・うん』『MEIJI JOURNAL』
明治製菓、明治乳業が経営統合して発足した明治ホールディングス。2009年4月、発足と同時に2社とも50年以上発行していた社内報を廃止し、グループ報『あ・うん』を創刊した。
ホールディングス傘下の食品事業会社の明治と薬品事業会社のMeiji Seika ファルマは、イントラネットによって発信する情報が異なる。グループ報は全社情報を共有し、各社をつなぐ役割を持つ唯一のツールだ。経営情報の共有や社員の一体感醸成などの目的を果たすべく、2008年9月の経営統合発表から約半年で創刊の準備を行った。「タイトルは経営統合の発表時に“あうんの呼吸で統合が決定した”と報告されたことが由来。グループ間であうんの呼吸が生まれるほどの信頼関係を築いてほしいという思いを込めています」とグループ報担当の根岸紀子氏。
誌面では、多くの社員を登場させ「共感」を高めることを心掛けている。そのために欠かせないのが全事業所に配置された131人の編集委員の存在で、各社の広報を通じて情報提供や取材協力を依頼している。間接的に多くの編集委員にディレクションするにはコツが必要だ。「依頼書を詳細につくります。例えば写真の依頼をする際も、何パターンかポーズを示していずれかで撮影してくださいというように。事前のイメージ共有がポイントです」。
さらにIR広報部では、グループ報やグローバル報での素材をCSR報告書やアニュアルレポートなど他媒体でも活用できるように、部内で共有している。「例えば人物の写真は依頼時にあらかじめ他媒体にも掲載される可能性があると伝え、違うバリエーションでも撮ってもらいます」。
2015年にはグローバル報『MEIJI JOURNAL』もスタート。英・中の2カ国語で、33の海外拠点に配布する。国内版とデザインが異なるのは、様々な海外誌を研究し、読み手に好まれる誌面を目指したからだ。「世界の明治グループをつなぐコミュニケーションツールとして、またグループ力の強化のためにも、事業の取り組みなどの共有はもちろん、現地の文化やグルメまで社員間の会話の糸口となる情報も掲載していきたい」とグローバル報担当の河内谷奈央氏は話す。
明治グループは …