新しいアイデアや事業は、社内のコミュニケーションの場から生まれることも少なくない。こうした作用を生み出すスペースを設けている企業のオフィス哲学とは?
1階にはデモ店舗などを設置できるスペースを完備。新店舗を出す前に、ここで実際に様々なシミュレーションを行うことができる。これにより、カウンターやショーケースから照明に至るまで、事前の検証を元にした店舗設計を行う。
持ち帰り弁当店「ほっともっと」や定食レストラン「やよい軒」など、国内外で約3000店を展開するプレナスが新設した、市場分析から広告制作まで一括して行うマーケティング拠点。それがブレインセンターだ。各ブランドの戦略立案・構築を行い、ブランディングに関するコンテンツ制作、ディレクションを担当。世界中の顧客の動向に迅速に対応できる体制を整えた。
「モノが売れなくなっている時代だからこそ、海外も視野に入れた商品・店舗・サービスなどを含めたブランドの価値を統合的に高める必要があると考えています。ここはその役割を担う機関なんです」と同社ブランディングディレクターの宮永秀樹氏は話す。
第一に考えたのは、「実際に働く人がクリエイティブな力を発揮できるような空間」を意識したオフィスづくりだった。ビルは地上9階、地下1階で、経年変化しても味わいが出るような重厚感のある素材感や質感を重視した建築資材を使いつつも、ゆとりのあるオフィス空間を実現した。社員一人ひとりに対し、広々としたデスクや資料が身近に置ける空間が確保され、社内外の相手との打ち合わせスペースも多く設けているのも特徴だ。
クリエイティビティを実現するオフィスとして象徴的であるのが …