新しいアイデアや事業は、社内のコミュニケーションの場から生まれることも少なくない。こうした作用を生み出すスペースを設けている企業のオフィス哲学とは?

2・3階のオフィスフロアのテーマは「うみだす」。これまでは別の階にあった企画部門と商品研究室を直通階段でつないだことで、連携したスピード感のある開発が可能となった。商品研究室は社員しか足を踏み入れることができない。
女性用靴下・インナーSPAのチュチュアンナは、将来の事業拡張を見据えた施設全体の再構築を図るべく、2015年5月に大阪市阿倍野区から同市中央区の森ノ宮へと本社を移転。靴下をイメージした外観でファッションの楽しさを世界中に発信する先進的な姿勢を表現している。外構やテラスに緑や桜を植えて、自然豊かな周辺環境に溶け込ませた。
新本社ビルは地上8階建てでフロアごとにデザインコンセプトが設けられている。「一口にコミュニケーションといっても、対社外と社内とでは切り口が異なる」と語るのは、クリエティブ・ディレクション部の川野夏子氏。
まず、「もてなす」をコンセプトに据える1階は、エントランスホールの一角に社史コーナーを設けた。「取引先やお客さまに支えられた過去があるから、いまの成長がある。感謝を伝えると同時にこれまでの歩みを振り返り、将来ビジョンを伝えたい」。また、「つどう」をコンセプトとする4階には入口を2カ所設け、会議室と展示会場などに分割できる多目的スペースを設置。年2回、取引先やメディア関連に向けた展示会などを実施していく計画だ。
従業員の満足度向上も意識している。管理系部署が入る6・7階は「ささえる」をコンセプトにシンプルな内装にした一方 …