プロモーションや地域振興など、目的に応じた企業や行政団体によるキャラクター活用事例と、ヒットを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。

コロプラのゲーム「白猫プロジェクト」テレビCMで猫の妖精「ふにゃっしー」と共演するふなっしー。
ヒットの要因は“体験”
2014年のキャラクターコンテンツ業界は、日本国内歴代総合興行収入第三位の『アナと雪の女王』と、玩具・ゲーム売上と映画前売鑑賞券販売枚数で軒並み記録的セールスを更新中の『妖怪ウォッチ』に席巻された一年だった。同じくヒットした『STAND BY ME ドラえもん』と比べると、ターゲットの幅広さやメッセージ力で万人受けするか危ぶまれたであろうこれらのコンテンツは、歌ってみる、踊ってみる、劇場に足を運ぶ、パッケージソフトで繰り返し視聴する、メダル購入の行列に並ぶ、友だちと集めたメダルを競い合う、といった参加体験とSNSでの評判拡散によって、ブームが加速。2015年以降も人気が持続する勢いだ。
既存・新規を問わず、今後のコンテンツやキャラクターのヒットは、いかにリアルやウェブの多くの接点を通して参加・協働できる場を増やし、マスメディアとSNSの間で情報を反芻させていくかがポイントとなるだろう。
2015年ご当地キャラの課題
大資本の戦略的な投資によって2014年にヒットした前述のキャラクターコンテンツとは対照的に、「会いに行けるキャラクター」として、リアルなイベントとウェブ・SNSでの草の根的な活動を通して近年市民権を得ているのが「ご当地キャラ」である。
Googleトレンドによると、「ゆるキャラ」「ご当地キャラ」は、共に2013年で過去最多のワード検索数を記録し、2014年は若干減少するも、2012年以前と比べると高水準を維持したままである。11月には計122体のキャラが登場するテレビゲームソフト「ご当地鉄道 ~ご当地キャラと日本全国の旅~」も発売された。
今やご当地キャラのみならずキャラクター全般で人気トップクラスの …