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ご当地キャラ博士が解説!ヒットのツボ

参加団体の投票疲れも, 明暗分けた「ゆるキャラグランプリ」

野澤智行(アサツー ディ・ケイ)

プロモーションや地域振興など、目的に応じた企業や行政団体によるキャラクター活用事例と、ヒットを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。

今や自治体関係者の一大イベントとなった「ゆるキャラ®グランプリ」。
2014年の栄えあるグランプリには群馬県の公式キャラクター「ぐんまちゃん」が選ばれた。

ぐんまちゃんがグランプリに

11月1~3日に愛知県常滑市で「ゆるキャラ®グランプリ2014 inあいちセントレア」が開催され、過去2年連続で3位だった群馬県の公式キャラクター・ぐんまちゃんが、エントリーした1699キャラの頂点に立った。2位ふっかちゃん(埼玉県深谷市:昨年4位)、3位みきゃん(愛媛県:同11位)、4位しんじょう君(高知県須崎市:同14位)、5位チャチャ王国のおうじちゃま(京都府宇治市:同23位)と、正統派のかわいいキャラたちが躍進、原点回帰をうかがわせる結果となった。過去のグランプリ受賞キャラたちは、2011年のくまモン(熊本県)を筆頭に今も高い人気を保ち、今回の結果発表も関東地区で計35のテレビニュースやワイドショー*1 にて紹介されるなど、パブリシティ効果は絶大なものがある。

*1 エムデータ調べ。NHK総合および民放5局のテレビ番組を対象として集計

ちなみに、ADKキャラクターパワーリサーチの「好きなご当地キャラ」純粋想起結果*2 をみると、グランプリ受賞キャラでもその年の順位はそれほど高くなく、順位が上昇するのは翌年になってからである。

*2 日本全国の3~74歳男女個人4500人を対象に毎年12月に実施しているインターネット調査で、「あなたが好きなご当地キャラは何ですか。好きな順に3つまでお書きください。」への回答結果

つまり、全国で人気のキャラがグランプリになるのではなく、受賞をきっかけにキャラのマスメディア露出が増え、各種商品化やイベント出演へのオファーも増え、結果として全国区の人気キャラになっていく、ということだ。

ただし、参加団体にとって良いことばかりというわけではない。毎日同じメールアドレスから1日1回ずつ投票できるため、自宅PC、職場PC、スマートフォンを駆使すれば、投票期間中は毎日3回ずつ投票可能になる。よって行政団体職員や関係者による組織票が見込める、人口が多くて有力企業がある県の公式キャラが優位になりやすい。

そうは言っても、やみくもに投票を呼びかけるだけでは支持も拡がらず、地元住民やファンへの過大な負担を強いる投票活動に耐えられずにエントリーを辞退するキャラが今回目立ったのも実状である。

一方では、北風と太陽のごとく、自発的に投票したくなる制度や仕掛けを用意して、健闘したキャラたちもいる。例えば、さのまる(栃木県佐野市)は、市内の事業者で構成する「さのまる応援隊」や、ふるさと納税者による「ふるさと さのまる応援団」という形で、地元企業や市民を組織化し、県外イベントにも積極的に参加。各地の人気キャラたちと交流を深めることで地元以外の知名度アップも図り、2013年にグランプリを獲得した。しんじょう君も、須崎市や高知県の支援に加え、チャームポイントである鍋焼きラーメンをデザインした着脱の帽子を遠征先でキャラたちにかぶせるパフォーマンスがSNSで拡散された。この様子を見てファンになった人たちが投票を続けた結果、今回4位のポジションを得ている。創意工夫次第で上位に進出することも可能な好例であろう。

非公認キャラにもチャンスあり

2013年の「ご当地キャラ総選挙」は、優勝したふなっしーの人気を高める起爆剤となり記憶に新しいが ...

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