6月末、オンライン英会話業界で初めて上場したレアジョブ。2007年の創業以来、登録ユーザー数は24万人に達しており、加藤智久社長は広報体制を強化。年間100本の取材を受けている。
レアジョブ 代表取締役社長 CEO 加藤智久氏(かとう・ともひさ)
2004年一橋大学商学部卒。外資系コンサルティングファームを経て、2007年10月にレアジョブ設立。2014年6月、東証マザーズに上場を果たした。
口コミで定着した学習スタイル
レアジョブは無料のインターネット電話ソフト「スカイプ」を使って、フィリピン在住の講師とマンツーマンの英会話レッスンを提供するオンラインサービス「レアジョブ英会話」を運営しています。今年で創業から7年目を迎えました。約3800人の講師陣はすべてフィリピン人で、採用率7%の難関を突破した優秀な人々です。累積登録ユーザー数は、2014年7月時点で24万人。現在1日平均1万3000回のレッスンを提供しています。
数字だけを見ると、順風満帆のように思われるかもしれませんが、レアジョブを立ち上げた2007年は、ちょうどNOVAが経営破たんした年で、英会話教育の業界に対する強い逆風が吹いていました。まだスカイプもツールとして浸透していなかったので、オンラインで英語を学ぶという新しいスタイルに対する不安や、「なぜ教師がフィリピン人なの?」といった疑問を持つユーザーも多かったと思います。
フィリピン人の英語力は世界トップクラスです。すでに先発のオンライン英会話サービスにも講師として採用されていて、好評を得ていました。ただ、
僕らがフィリピン人を講師として採用した最も重要なポイントは、彼らが“ホスピタリティ”の精神を持っているという点にあります。僕らの仕事は「英語を教えること」ではなく、「英語を学ぼうとしているユーザーのやる気を引き出すこと」。ユーザーの心を動かす一番の主役が講師であり、講師が持つパーソナリティーだと考えています。
ホスピタリティの精神を持つ彼らは、相手の喜びが自分の喜びであるという感覚を持っています。英語を教えるうえでも、「この人をもっと喜ばせてあげたい」という情熱を持って取り組みます。そういった思いが伝わった時に、人は、もう少し頑張ってみようと思うのではないでしょうか。
新しい英語学習のスタイルを浸透させるうえで最も効果的だったのは、口コミでした。レアジョブ英会話に対する良い評判をつくっていくことこそ、ビジネスの肝だと考えています。しかもそういった口コミは、ネット上よりもリアルの場での何気ない会話が一番効きます。「そういえば最近、レアジョブ英会話を始めたんだけどさ……」という、同僚や友人との何気ない会話が、評判をつくっていくと思います。
講師陣のホスピタリティ精神もサービスの評価を高めていきます。僕らもそういった良い評判につながるように、サービスの充実を図っていきたいと思っています。
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