リアルの価値が見直され、改めて活発に実施されているポップアップストアだが、その成果が思うように測れなかったという担当者の声も聞こえてくる。定性的な「達成感」や「参加者数」をもって「成功」とする場合もあるが、そうもいかない担当者も多いのではないだろうか。本記事では、そんなポップアップストアのKPIとKGIの設定方法とその振り返り方について解説する。
コロナ禍が本格的に明けはじめ、各地でコロナ前のようにポップアップストアやリアルイベントが多く開催されるようになりつつある現在。しかしオフラインイベントであっても、コロナ禍で加速したリモートの普及やオンラインイベントの開催を視野に入れて考えることが重要になってきています。そういった中で複雑化しているのが、イベントにおけるKPI・KGIの設定方法です。
イベントにおけるKPI・KGIのメリット
私がイベントを主催・開催する時には、そのイベントのKGIをしっかりと設定するようにしています。例えばKGIとして「利益」を置いた際には、イベントの収益性を考え、利益を出すためには来場者を何人集める必要があるのかを逆算することができます。一方で、収益は関係なく、単純に多くの人に来場してもらうことで、取り組みが認知されたり、そのコンセプトに賛同した人が集まったりすることをゴールにするものもあります。
そういったKGIを設定する上で必ず必要になるのがKPI。イベントに関してもそのKGI(ゴール)のためにどんなプロセスが必要なのかを洗い出すことが重要です。また、そのプロセスを導き出す際には、イベントフレームワークに欠かせない6W2H(図1)を参考に構成することで、KPI・KGIの設定がしやすくなるはずです。
ポップアップストアのKPIとコンセプトのつくり方
次に、肝心のポップアップストアのKPI設定の方法について説明します。
短期間かつ単発のイベントについては、開催期間より以前に生活者にどのように認知してもらうかが重要です。その事前準備として、「何を伝えたいのか」「ターゲットは学生か社会人か」「平日開催か休日開催か」などを考えておくことも必要です。
単発で短期のイベントを開催する場合は、売上だけではなく、より多くの人に認知してもらうことを最重要事項と考えるとよいでしょう。しかし、単発ではなく今後もポップアップストアなどのオフラインイベントを予定しているのであれば、1度の企画だけに目を向けていてはいけません。都度のイベント来場者数だけではなく、次の開催に来てくれるようなファンの獲得数をKPIとすることも必要になります。
また、展示会やコラボカフェに関しては、そのコンセプトがしっかりとつくり込まれており、それが売上や来場者数を見込めるだけの話題性があるかどうかが大きな鍵を握ります