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ポップアップストア・イベント盛況計画

来店者の感想が支払いに変わる試着体験 連日行列の大盛況に至るまで

加藤 健氏(ユニクロ)

2024年にフリース誕生30周年を迎えるユニクロが、フリースを着ておしゃべりをしながら温まれるポップアップイベント「FLEECE CHAT STREET」を開催した。場所は、1998年に起きたフリースブーム発祥の地「ユニクロ原宿店」。その企画の裏側と反響を、ユニクロジャパンマーケティング部の加藤健氏に話を聞いた。

ユニクロ原宿店地下1階のスペースに設置された「FLEECE CHA TSTREET」ブース。店舗の中にも「フリースとおしゃべりで、あったまろう。」との装飾が施された陳列棚が置かれていた。

ユニクロが2023年11月1日~17日の期間で開催した「フリースとおしゃべりであったまろう『FLEECE CHAT STREET』」。本イベントは、来場者に同社ブランドを象徴するアイテムである「フリース」を着用しながら、会話を楽しんでもらおうと企画されたものだ。

平日と祝日は11時から、土日は10時半から、「VOICE PAY」はフリースTシャツの上限枚数に達し次第終了、「おしゃべり写真館」は20時までオープンしている。

イベントで実施したコンテンツは主に2つ。まずひとつ目は、同年秋にラインナップが増えた「フリースTシャツ」をその場で試着し、マイクの前で同商品の着心地に関する質問に答えることで商品を購入することができる「VOICE PAY」。ふたつ目が、学校や喫茶店をイメージしたブースの中で、ユニクロフリースを着用して会話を楽しみながら自撮りができる「おしゃべり写真館」だ。

多くの人が集まって会話が生まれる空間を意識

特に本施策の中でこだわっている点はフリースを着用しながら「自然と会話が生まれる」ように体験を設計すること。「VOICE PAY」では、「フリースTシャツ、恋人だったらどんな恋人だと思う?」「フリースTシャツを擬音5つで表して」というように、来場者同士で相談しながら回答できるような質問を用意。

「おしゃべり写真館」でも、老若男女にとって懐かしみのある学校と喫茶店をモチーフにブースを設計し、自然とおしゃべりがしやすい空間づくりを意識した。そのような設計が功を奏し、友人や家族、恋人同士で訪れる人が比較的多いのだという。

フリースTシャツ配布終了後も撮影を目的にした来場者が

また、「おしゃべり写真館」前には、フリースTシャツの上に羽織ることができるボアフリースジャケットやフリースカーディガンを用意。自分の好きな組み合わせでコーディネートを楽しむことができる。「初日から連日、行列ができていて整理券を発行するほどの大好評をいただいています。

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