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シン・トップの現場力

目指すのはブックだけではない、リユースのブックオフ リユースビジネスの総合商社を実現するのは、「一人ひとりの現場スタッフ」

堀内康隆(ブックオフグループホールディングス)

新しい時代における流通・小売・サービス業界で、自ら事業を牽引するキーパーソンに迫る本企画。第8回はブックオフグループホールディングス 代表取締役社長 堀内康隆氏。上場以来、初の赤字となった経営状況で就任。その後、会社を復活へと導いた「トップの現場力」に迫る。

上場以来、初の赤字転落 トップダウンからの脱却を決意

──社長に就いたのは2017年。上場以来、初めて2期連続の赤字経営となった翌年でした。

私がブックオフに入社したのが2006年。2013年頃から前社長直下で経営企画を担当し始めました。その当時、「ブックオフは変わっていかなければならない」と前社長のもとでさまざまな変革を進めてきたのですが、残念ながら結果に上手く繋げることができず、2期連続赤字という悔しい結果に。そこで前社長が責任を取って身を引くことになり、私はその後任というかたちで社長に就任しました。

──赤字転落の理由は何だったのでしょうか。

理由は大きく2つ。1つは、百貨店で買い取りを実施する「ハグオール」という新規事業と、全国の「ブックオフ」の店舗に一律に「家電」の取り扱いを急ピッチで進めたのがあまり上手くいかなかったことです。

それこそ前社長と今後のブックオフについて話していたときに、構想していたのは、「本に限らず様々なものを買い取り、“リユースのブックオフ”として進めるのはどうか」ということだったんです。

そこで、まず始めたのが家電でした。ですが、家電の買い取りを進めていくと、上手くいく店舗とそうではない店舗の差が如実に出たのです。上手くいかなかったお店の中には、「まだ本で勝負できる」という声を耳にしたこともあったのですが、変革を一気に進めるために本社主導・トップダウンで事業を進めていたこともあり、「家電をやろう」と言い続けてしまった。そのため各店舗も「本部の指示だから」と、家電の買い取りを進めることへの当事者意識が薄れてしまったのです。

つまり赤字の理由のひとつとしてネックだったのは、このトップダウン。「本だけではない、リユースのブックオフを目指そう」と家電の買い取りを進めたことは間違いではなかったものの、その“進め方”や“やり方”には課題、問題があったと気づきました。

“強い”現場の理由を求め年間150の店舗を訪問

──社長に就任なさってから、心境に変化はありましたか。

先ほど述べたようなトップダウンの経営から気づきを得て、店舗自体やそこで働いてくれている「人」の強みを引き出すことに力を注ぎたい、と強く思い始めました。

というのも、先ほど話したトップダウンの経営から学んだのは、店舗や人から発生する自発的な想いや行動を重んじて、ボトムアップで施策を実施していく必要性でした。お店の運営は人がいてこそ成り立つもの。「自分たちの店舗は何をしたいのか」を見つめ直し、各々の店舗や人財が当事者意識を持って運営にあたると、そのパワーはきっと大きなものになるはずだと考えました。

──そこで行ったのが、全国の店舗への訪問だったのですね。

その通りです。私は入社以来、ITやシステムなど、業務のほとんどを本部で過ごしてきました。要は、あまり現場を知らなかったのです。「このままではいけない」と思い、就任した最初の年に150の店舗を回りました。店舗を訪問するなかでとくに目的としていたのは、業績が良い店舗と思わしくない店舗の違いを発見すること。

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