期間限定でオープンする店舗「ポップアップストア」、その集客を最大化するためにはどのような施策が効果的なのか。「人が行きたくなる」企画のつくり方について、多くのファッション好きを集め、3日間で約1200点の物々交換が行われたビームス「モノを売らないお店」の責任者を務めた桑原優季氏に話を聞いた。
近年増加している「その場で商品を販売しない店」。ショールーム機能を持つ店舗を指すことが多いが、ビームスが運営する「つづく服。」プロジェクトの「モノを売らないお店」は物々交換を主眼に置いた期間限定の店舗だ。
「モノを売らないお店」が実現するまで
2023年5月 企画開始
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2023年9月 集客施策を開始

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2023年9月29日~10月18日
衣料品の事前回収

「モノを売らないお店」の事前取り組みとして、「ビームス 立川」と「ビームス 新丸の内」の店頭、並びに「ビームス 恵比寿」が出店するイベント会場の3箇所に衣料品回収ボックスを設置。衣料品持ち込みをした人に、同企画の「再循環ブース」にて使用できるアイテム引換券チケットを配布した。
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2023年10月20日~22日
「モノを売らないお店」オープン

当日には来場者のSNS投稿を促すコーナーも設置した。


3日間で約1200点の物々交換が行われた。左下は、持ち込んだアイテムのストーリーを書く来場者の姿。会場には予想以上の来場者が訪れ、オープン前から行列が。
店頭に並ぶのは、同社のスタッフや賛同クリエイターの「想い入れ」のあるアイテムと、それにまつわるストーリーを書いた札。来店者自身も「想い入れ」のあるアイテムを持参してそのエピソードを札に綴ることで、衣料品をストーリーと一緒に物々交換することができる。また、着られなくなった衣料品を渡すことで、同社の経年在庫や店舗装飾など、商品として販売しないものと交換できる「再循環ブース」も設置した。
ファッション好きな人と「つづく服。」を考える場
本企画の開催経緯について、「モノを売らないお店」責任者 桑原優季氏はこう話す。
「『モノを売らないお店』は2021年6月に開始した『つづく服。』プロジェクトの一環です。本プロジェクトは...