社是である「おもてなし」を重視した接客を行ってきたKICHIRI。感染対策を徹底した運営が求められる中、顧客満足度を担保するため、店舗内マップや料理体験動画などで、新しい居酒屋の楽しみ方を提案している。
全国で居酒屋事業を展開するKICHIRI(大阪市)は5月14日、接客時の接触を最大限に減らす「接触8割削減プロジェクト」を始めた。
導入したのは、東京の「KICHIRI 新宿店」と大阪の「KICHIRI 茶屋町阪急駅前店」。ウイルス予防や消毒に関するコンサルなどを行うサニタイズ(東京・渋谷)監修のもと、「新しい生活様式」に対応する店舗づくりと接客に挑んだ。
非接触で“おもてなし”
新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続く飲食業界。KICHIRIでは、5月14日の店舗営業再開後は少しずつ客足が戻っていて、5割に抑えている席数のうち、休日にはそのほとんどが埋まっている状態だ。ただ、4割ほどあった企業などの宴会利用が激減したため、打撃は大きい。4月23日にはデリバリー事業にも手を広げている。
きちりHD 営業統括本部 ゼネラルマネージャーの城所将太氏によると、このような逆境下で、代表取締役社長の平川昌紀氏が「コロナの収束を待つのではなく、できることに取り組む」と指針を表明。これを受けて各店舗で“できること”を模索したという。
その一環として、同HDが掲げる「真心のこもったおもてなし」を最低限の接触で実践する「接触8割削減プロジェクト」を企画。城所氏によると、約10日間というスピードで、店舗への実装に至った。
モニター越しにお出迎え
プロジェクトを実行する2店舗では、入店から食事提供、退店までの流れで可能な限りの接触を減らす。城所氏は「感染予防対策に加えて、今だからできる非接触での“おもてなし”を提供する点もポイント」と話す。
店舗のエントランスでは...