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Withコロナ時代の新しい店舗集客と接客

体験重視のハンズもデジタルシフト アバター接客の実証実験も

本田浩一氏(東急ハンズ)

6月にDX推進本部を設置し、OMOを進める東急ハンズ。店頭ではアバターを使った遠隔接客の実証実験を行い感染防止対策と両立する新しい店舗体験を模索している。

販売チャネルを開拓

──外出自粛の影響でECサイトでの買い物も定着しました。Withコロナの時代に店舗に求められる役割とは。

当社では創業以来、店舗で実際に商品を見たり触ったりして“体験”をしていただくことを重視してきました。とはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、お客さまの求める利便性は大きく変化しています。来店せずにECで購入する方や、店舗での滞在時間を減らしたい方、ECで注文して店舗では受け取りだけを希望される方など、様々なニーズが生まれています。

そのため、従来通りの店舗での体験は重視しつつも、販売チャネルや接点づくりのデジタルシフトは避けられないと考えています。

──6月1日にDX推進本部を設立しましたね。

2019年から全社的にDXを進める方向性はあったのですが、組織改編はもう少し先の予定でした。今回、新型コロナの影響で前倒しになった形です。

同部の目的も、元々は「店舗を盛り上げるためにデジタルを活用する」というイメージでした。それが現在は「デジタルかリアルかを選ぶのはお客さまであって私たちではない」という考えを前提に、どちらにも対応できる体制を整えることに注力しています。

つまり、オンラインとオフラインの融合であるOMOですね。お客さまはもちろんのこと、スタッフや取引先の方々、サプライヤーのみなさんにもメリットがあるように進めています。

DX推進本部のミッションのひとつとして、“販売チャネルの開拓”があります。これまで比較的弱かったEC部門の強化です。当社のECは新宿店に含まれる形で、ECの在庫イコール新宿店の在庫になっているのですが、ECと店舗のデータ統合ができていませんでした。そこで、データ連携と分析を進め、DX推進本部で包括的に見ていこうと考えています。

──オンラインでの接点づくりに関しては、2012年にローンチした「ハンズクラブアプリ」を活用しています。

そうですね。現在は新型コロナの影響で店舗に足を運んでいただけないお客さまとのタッチポイントになっています。また...

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