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レジ袋有料化で加速する 小売りのサステナビリティ

スーパーはレジ袋削減の先駆け 辞退率は20年で5倍以上に

井上 淳氏(日本チェーンストア協会)

1990年代からレジ袋削減をけん引してきた日本チェーンストア協会。レジ袋有料化をめぐる歴史と消費者心理の変化、店頭コミュニケーションのあり方を、専務理事の井上淳氏に聞いた。


協会では、レジ袋削減を啓発するポスターを制作。希望した企業には、会計時にバスケットに入れて利用する「レジ袋不要カード」も配布している。

企業の自主的な取り組みに限界

──容器包装リサイクル法の省令改正にともない、7月1日からレジ袋の原則有料化がスタートしました。

プラスチックによる海洋汚染問題に、世間の関心が高まっていることは間違いないですね。今後レジ袋の辞退率が100%になることは難しいとはいえ、これまでの「レジ袋は無料で使い放題」という常識は変わるでしょう。

スタート時点でも、会員企業からは「レジ袋を辞退されるお客さまが明らかに増えた」との声が寄せられており、レジ袋削減がさらに広がるきっかけになることを期待しています。

──スーパーにおけるレジ袋の辞退率は、2020年3月時点で57.21%でした(日本チェーンストア協会調べ)。協会では1990年代からレジ袋削減を呼び掛けてきましたが、現状をどう見ていますか。

スーパーでのレジ袋の辞退率は、20年前が1割前後でしたので、私たちの活動も一定の成果は出ているといえます。ただ、6年前に5割を超えて以降はずっと5〜6割で推移していて、頭打ちの状態です。

店舗側にも有料化を進めにくい理由がありました。例えば、自店の近くにレジ袋が無料で使い放題の店舗がある場合。いくらレジ袋の削減に努めたところで、消費者は「サービスが悪い」と他店に逃げてしまいます。

そのため協会としては、レジ袋の削減を拡大していくためには企業の自主的な取り組みだけに頼るのではなく、法令によってすべての店舗に例外なく有料化の義務付けをしなければならないと考え、政府に働きかけをしてきました。2018年11月には環境大臣に、また2019年10月には経済産業大臣と環境大臣に要望書を提出しています。

今回の有料化は我々の主張に沿ったものですので、レジ袋削減への効果を期待しています。

法律の“抜け穴”をつくらない

──レジ袋有料化で消費者の意識は変わるでしょうか。

今後の成果は当然ながら...

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