「この国は、女性にとって発展途上国だ。」反響呼んだコピーが生まれた背景
「この国は、女性にとって発展途上国だ。」─センセーショナルな一文が印象的な、化粧品製造・販売のポーラが7月下旬から8月初旬にかけて放送したテレビCMが話題となった。店頭販売員を募集する目的のCMだったが、広く共感を呼んだ。
キャッチフレーズ GOOD&BAD
従来の「情緒共感型コピー」とは異なる、プロモーションへと人を動かす「情報共感型コピー」とは。現代の消費者を動かすコピーのあり方から、提案先企業を巻き込み、ターゲット周辺への届く方法まで、POOLの小西利行氏、小林麻衣子氏に聞いた。
ラーメン店「博多一風堂」は7月、新業態店「一風堂スタンド」をオープンした。
モノの差別化は難しくなるばかりだ。キャッチフレーズで商品機能をうまく言い換えたり、情緒を込めて表現したりするだけでは、なかなか消費は動きづらい。
消費者が何かを買ったりするスピードはますます加速し、また、日ごろ浴びる情報量が増える一方なことも、その傾向を助長しているようだ。だからこそあやふやな感情ではなく、シンプルに情報を伝え、なんとか自発的な行動を促せないものか。
「咀嚼が必要な難しい情報は消費者に届きづらい、というのはあるでしょうね」と、コピーライターの小西利行氏は話す。「消費者が求めているのは、もっとわかりやすく、自分のメリットを教えてくれて、行動をアシストしてくれるきっかけのように感じます。だからこそストレートに情報に共感して行動できる、プロモーションコピーの必要性が高まっていると思います」。
従来型の「情緒で共感を生むコピー」とは異なる思考法の、「情報で共感を生むコピー」について、小西氏が代表を務めるPOOL のコピーライター小林麻衣子氏と共に解説してもらった。
ニーズに対し、わかりやすく
世の中のニーズから逆算した情報は、強い共感を生み、ニュースとして捉えられる。結果、行動を促しやすい。
情報共感度高めるリアルさの追求
アイデアやコンセプトを優先させずに、消費者が本当に抱えているニーズに沿えば共感度は高まる。
説明不要のシンプルな個性
個性を写真1枚、フレーズ1つで表現できると、体験した人はソーシャルメディアに投稿しやすくなる。
「ネーミングは、『情報共感型コピー』の一例になりそうです」と、小林氏は直近で自身が手がけた「一風堂スタンド」を例に挙げた。
「一風堂スタンド」は、ラーメン店「博多一風堂」を運営する力の源ホールディングスの新業態店。7月15日、東京・浜松町にオープンした。
同店の特徴は ...