いま必要なのは「情報共感型コピー」だ――「情報」と「情緒」、2つの共感ポイント
従来の「情緒共感型コピー」とは異なる、プロモーションへと人を動かす「情報共感型コピー」とは。現代の消費者を動かすコピーのあり方から、提案先企業を巻き込み、ターゲット周辺への届く方法まで、POOLの小西利行氏、小林麻衣子氏に聞いた。
キャッチフレーズ GOOD&BAD
ハーゲンダッツジャパンのキャンペーン「Häagen Heart Hunting 幸せのハーゲンハート探し」がネット上で大きな賑わいを見せている。3日間で、Twitterの投稿・再投稿数が約13万件、「いいねボタン」も27万回押されるなどの反響を記録した。なぜこれほど多くの人に広まったのか。
フタを開けてアイス表面に現れる「ハーゲンハート」のひとつ、「クリアハート」。出現率は極めて低いが、企画開始前に調べたところ約1000個に2つの割合で見つかったという。
カップアイス「ハーゲンダッツ」のフタを開けると「ハート型のくぼみ」が現れることがある。一部の購入者には以前から知られていた現象で、写真をソーシャルメディアに投稿するなどして、楽しんでいた人も少なくない。
ハーゲンダッツジャパンが7月1日に始めた「Häagen Heart Hunting(ハーゲンハート・ハンティング)幸せのハーゲンハート探し」は、この現象にスポットを当てた企画だ。
アイスのくぼみが、きちんとハートの形になった「クリアハート」をはじめ、「スマイルハート」や「涙ハート」など、それぞれの形状から連想した11種類の名称がある。キャンペーン開始前に1002個のカップで検証し、それぞれの出現率も公開した。
開始と共に特設サイトをオープンしてから3日間で、Twitterでの投稿・再投稿数は約13万件、「いいねボタン」も27万回押されるなど、ソーシャルメディア上で大きな反響を記録した。
写真共有サービス「Instagram(インスタグラム)」の流行も追い風になったといえそうだ。同サービスの利用者の多くは18歳〜34歳の女性ユーザーで、キレイな写真やカワイイ写真を投稿して友人や知り合いに見せたいというニーズがある。「Instagram」では、「#ハーゲンハート」の共通ワード(ハッシュタグ)付きで投稿された写真の数が、7月下旬までで2000件超に。
「ハーゲンハート」は、製品にハートの要素を加え、「ハーゲンダッツ」をより写真映えする「コンテンツ」に昇華させた。
「フタを開ける前から楽しめるコンテンツを目指した」─企画を手がけたTBWA\HAKUHODOの栗林和明氏はこう話す。「ハーゲンダッツのブランドコピーは『幸せだけで、できている。』というものです。食べている間が“幸せ”であることはもちろん、フタを開ける前から、その幸せな時間が始まるということが『ハーゲンハート』の主旨。これは、ブランドが目指すべき方向性とも合致していると思います」。
ソーシャルメディアを中心に、なぜこれだけ多くの人を巻き込めたのか ...