ポッキーは2015年、発売50年を迎え、主要5品を大幅にリニューアルした。ポッキーの購入率をさらに高めるため、同年9月から始めたキャンペーンが「PROJECT:シェアハピ」だ。2013年に世界共通で掲げたブランド方針「Share happiness! Pocky(シェア・ハピネス・ポッキー)」に基づく施策でもある。こうした方針からいかに販売につなげたのか、江崎グリコ広告部の玉井博久氏に聞いた。
見たらマネしたくなるポーズ
2015年9月1日を皮切りにオンエアした「シェアハピ・デビュー」編(写真上)、「シェアハピダンス」編(同中)、「シェアハピ・恋愛」編(同下)。ポイントは、腕をクロスさせる「シェアハピポーズ」と、その腕を振る「シェアハピダンス」。消費者がポッキーを持ってマネしたくなることを狙って考案した。
広告用にオリジナルユニット結成
人気音楽グループ「三代目 J SoulBrothers from EXILE TRIBE」の3人を起用し、オリジナルユニット「THE Sharehappi」を結成。「まずポーズがあり、それに見合ったタレントを起用した。ダンスは当初考えていなかったが、ダンスにすればより表現が強くなるし、浸透を速められるという狙いもあって、彼らにお願いすることになった」(江崎グリコ 玉井博久氏)
バレンタインではより気軽に
バレンタイン商戦に向けては、「Sukky(スッキー)」「Tomocky(トモッキー)」「Giricky(ギリッキー)」など、名称を変えたパッケージを発売。これも「PROJECT:シェアハピ」の一環で、「ポッキーで人と人の関係がよくなる」という方針に基づくもの。いかに気軽に「渡す」というアクションを起こすかがカギとなった。パッケージは全10種ある。
イメージだけでは足りないもっと「人が動く」広告を
江崎グリコの「ポッキーグループ(商品群)」の国内売上実績は、2012年3月期の実績をベースとすると、翌13年3月期で99%と一旦減るが、同年世界共通ブランド方針「Share Happiness! Pocky」を打ち出すと14年には115%、さらに15年は120%と好調さが続いている。
チョコレート市場全体を見ても、14年4~9月を100とすると市場全体は102の微増で、江崎グリコは105と市場の伸びを上回る状況だ。
15年9月1日の商品リニューアルと同時に開始したキャンペーン「PROJECT:シェアハピ」も、商品の売上に寄与した。16年3月期第3四半期まで(15年4月1日~12月31日)の累計実績(連結)でも …