いよいよ2800万DL(2014年6月現在)を達成しゲーム業界のみならず、さまざまなコンテンツ市場でも類例を見ない圧倒的な顧客数を獲得した「パズル&ドラゴンズ」(以下、パズドラ)。今月は、CRMのお手本とも言われるパズドラ快進撃を陣頭指揮してきたガンホー・オンライン・エンターテイメント、森下社長のインタビューをお届けする。
<文>松浦信裕 大広 ダイレクトマーケティング総合研究所 所長
ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長CEO 森下一喜氏
商品開発は過去に縛られない自由な発想が前提
短期間に類のない多くの顧客を獲得した事実をどう捉えていますか。
正直、あまり気にしたことがありません(笑)。 自分たちの根本的なスタイルはお客さまの数によって変わるものではないし、変える必要もない。2800万ダウンロードという記録はすごいことなのでしょうが、あくまで娯楽として「楽しかった、面白かった」という記憶がお客さまに残るモノづくりをするというのが商品開発の基本です。ユーザー情報などの過去をトレースしてもそれはもう「既にあるもの」ですから、それを基にゲームを作ってもお客さまに喜ばれたり驚かれたりはしない。ですから私たちは開発では全くデータを参考にしません。新しいものを作るためには、過去の経験に縛られない自由な発想が必須条件です。極端に言えば、自分が面白いと思うものを作っているだけですね(笑)。
もちろん時代の流れは速いので、どんなに面白いゲームでもいずれは飽きがくる。だから皆さんが思っている以上に危機感を感じていて、お客さまに対して新しいサプライズを提供することに挑戦し続けています。最近発表した『パズドラW』では、世界初の試みとして同じゲームの中にもう一つの新しいゲームが展開する「2 in1」の形を採用しています。提供することに挑戦し続けています。最近発表した『パズドラW』では、世界初の試みとして同じゲームの中にもう一つの新しいゲームが展開する「2 in1」の形を採用しています。
コンテンツとサービスが一体化したテーマパーク
一方で、さまざまなサービスを徹底するガンホースタイルは顧客志向のお手本という指摘もありますが。
そうですね。商品開発とは…