レンタル・シェア文化を浸透させるためのブランディング (後編)
必要なときに必要なだけ利用できる経済性や合理性が支持され、広がりを見せているレンタル・シェアリングサービス。車からファッション、スペース、スキルまでさまざまなカテゴリーでサービスが生まれている。ただ、なんとなく存在は知っているものの、一歩を踏み出すには至っていない生活者が多いのも事実。成長過程のサービスの最新プロモーションを取材した。
業界別販売促進
売り場正面ディスプレイ
来店客の興味を引き付けるためのディスプレイ。リネンウォーターや目覚まし時計など快眠のための周辺雑貨を並べている。ベッドに置かれたミッキーとミニーのぬいぐるみは、一定間隔で膨らむ腹部の動きに合わせて呼吸すると、心地よく眠りにつくことができる入眠導入アイテム。
寝具、健康機器、医薬品などのメーカーが快眠関連商品を次々と投入し、市場が活性化している快眠ビジネス。眠らない人はいないため、すべての人がターゲットと言えるが、あまりに身近な問題ゆえに、興味喚起から商品購入に至るには難しさもある。スポーツ選手を広告に起用したり、異業種と組むことで、より多くのユーザーにアプローチしようとする動きを取材した。
「カズのマットレス」指名買いで売上前年比300%...盛り上がる"快眠市場"のプロモーション(前編)はこちら
ロフトのインテリア売り場に設置された快眠コーナーでは、これまで主役だったファブリックス(カバーやシーツ)や寝具(枕やマットレス)に加えて、昨年春から、快適な眠りと心地よい目覚めに効果的な雑貨を取り扱い始めた。枕やシーツに香りをスプレーするピローミストやリネンウォーター、目覚めやすいタイミングでアラームを鳴らす「オムロン ねむり時間計」(オムロン)のほか、ユニークなアイテムとしては入眠導入に効果が期待されるミッキーとミニーのぬいぐるみ(タカラトミー)がある。こうした快眠のための周辺雑貨をコーナー入り口の目立つ場所に展示し、来店客を誘引するアイキャッチとしている。
同社バイヤーの塚田美香氏は、「今後は寝具以外にも、睡眠環境を整えて眠りの質を高めるための周辺雑貨の需要が増えていくでしょう」予測する。
塚田氏が注目するのは、メーカーサイドが既存の商品に「快眠」という切り口を付加し、商品価値を再構築する動きである。例えば、セガトイズの家庭用プラネタリウム「ホームスター」は、もともと自宅で手軽に満天の星を楽しめる商品として発売された。その後、就寝時に使用することで快適な眠りにつけることが実証され、現在は快眠グッズとしての顔も持つ。