レンタル・シェア文化を浸透させるためのブランディング (後編)
必要なときに必要なだけ利用できる経済性や合理性が支持され、広がりを見せているレンタル・シェアリングサービス。車からファッション、スペース、スキルまでさまざまなカテゴリーでサービスが生まれている。ただ、なんとなく存在は知っているものの、一歩を踏み出すには至っていない生活者が多いのも事実。成長過程のサービスの最新プロモーションを取材した。
業界別販売促進
記者発表会
三浦知良選手とのパートナー契約の締結、およびエアーの新テレビCMに関する記者発表会を開催。
寝具、健康機器、医薬品などのメーカーが快眠関連商品を次々と投入し、市場が活性化している快眠ビジネス。眠らない人はいないため、すべての人がターゲットと言えるが、あまりに身近な問題ゆえに、興味喚起から商品購入に至るには難しさもある。スポーツ選手を広告に起用したり、異業種と組むことで、より多くのユーザーにアプローチしようとする動きを取材した。
以前は地味なイメージが強かった寝具売り場が、「快眠コーナー」という名のもと、大きく様変わりしている。寝具メーカーはそろって有名スポーツ選手を広告キャラクターに起用し、テレビCM などの大量露出によりブランドの認知度向上に成功。彼らのビジュアルが売り場のあちこちに掲出され、老若男女にとって親しみやすい売り場に変わった。また、枕やマットレスなどの寝具だけでなく、快眠をサポートする周辺雑貨も増えている。
背景には、若い世代が寝具売り場へ足を運ばなくなったことへの危機感があった。また、睡眠は毎日の健康に直結する習慣でありながら、その重要性を認識している人は未だ少ない。 若い頃から睡眠について考え、快眠をサポートするアイテムに興味を持ってもらうにはどうすればいいのか。スポーツ選手の広告起用や、他社とのコラボレーションに活路を見い出す企業の事例を紹介しよう。
交通広告
記者発表会のあと、テレビCMの放映と同時に全国主要都市で交通広告を実施した。
サッカーの三浦知良選手を起用した広告で知られる、西川産業のマットレス「エアー」。スポーツのパフォーマンスを高めるには、質の高い睡眠や休息が不可欠であることに着目し、アスリートの快眠をサポートするマットレスとして2009年に発売。三浦選手のほかにも、女子プロゴルファーの有村智恵選手や、プロ野球の坂本勇人選手などトップアスリートをオフィシャルアドバイザーに起用している。
エアー発売の背景には、スポーツを切り口に睡眠への興味を喚起し、上の世代に偏りがちな寝具売り場の客層を、若い世代にも広げたいという狙いがあった。「『トップアスリートがコンディションを整えるために使う寝具』としてアピールすることで、寝具にあまり興味のなかった若い世代にも興味を持ってもらいたい」と話すのは、西川産業 営業統括本部営業企画室チーフリーダーの須藤健二朗氏。新たな切り口を提案するだけでなく、従来の寝具にはない素材や色、人間工学に基づく機能を取り入れ、スタイリッシュなイメージを打ち出している。