キャンペーン用の店頭ツールは、各支店ごとに必要なサイズ・部数だけを準備。基本的に店舗への送り込みはほとんどせず、営業担当が設置に行く。
メーカーが社会貢献型プロモーションを主導する際、売り上げへの貢献はもちろん、重要な目的の一つとなるのが商品やブランドと消費者との関係構築だ。森永乳業は、アイスクリームブランド「MOW(モウ)」のドネーション(寄付付き)キャンペーンを2009年度から毎年(*1)実施している。同キャンペーンの狙いと、継続している背景を聞いた。
MOWのキャンペーン
史上最多の応募数を記録
パッケージにはキャンペーンの告知を掲載。店頭ツールが使用されない店舗でも、消費者にキャンペーンの存在を伝えることが重要だ。
森永乳業は今年の6月10日~12月27日の期間、同社が展開するアイスクリームブランド「MOW」のプロモーションの一環として、日本各地の森林事業活動を支援する「しぜんは、たいせつ。MOWをたべて、"日本の森を守ろう"キャンペーン」を実施している。
同キャンペーンは、MOWのパッケージの裏面に記載されたシリアルナンバーを使って応募し、キャンペーンサイト上でポイントを貯めると、オリジナルグッズなどが当たるマストバイキャンペーン。さらに、この応募ポイント1ポイントにつき1.1円がMOWの売り上げから支援金として拠出され、日本全国の森林保護活動の支援に充てられるというもの。
MOWでは09年6月~12月末に、同商品を購入・応募すると、応募件数に応じてWWF(世界自然保護基金)に寄付を行う「しぜん派こだわりキャンペーン」を実施。それ以来、「おいしい素材は、健全な自然環境下で育まれる」というブランドの理念に基づき、形を変えながら環境貢献型のドネーションキャンペーンを継続してきた。12年度の実施時からは支援先を日本の森林事業者に変え、今年で4回目となる。
同ブランドを担当する第一営業本部 冷菓事業部 冷菓マーケティンググループの宇田川史郎氏によると、09年度の開始当初は消費者に参加意義の分かりやすい貢献型キャンペーンが増えてきた頃で、その時流の中で企画が立ち上がったという。「企業による貢献型企画はそれまで少し不透明なイメージがありましたが、テレビCMを放映して大々的に展開するメーカーなども登場したことで、消費者に支持されるようになりつつあった。その中で、MOWは"素材へのこだわり"というブランド価値の理解促進に重点を置き、テーマや手法などを設計していきました」。