広告とは異なる魅力を放つ「版画」の表現
日本のグラフィック・デザイナーと版画
「グラフィック・デザイナー」という言葉が日本で知られるようになったのは、戦後復興期にあたる1950年代のこと。
1951年には全国規模のデザイナー団体である日本宣伝美術会の設立と同時に広告制作会社のライトパブリシティが創業、さらに1959年には日本デザインセンターも発足する。
青年期に終戦を迎えた若きグラフィック・デザイナーたちは、「チームワークと無名の行為」を求められる広告物を手がける過程で、「版画」にも関心を示した。個性を存分に発揮できる版画は、彼らにとって魅力的な表現手段のひとつに映ったはずだ。
本展では、永井一正、横尾忠則、和田誠を中心に、戦後から現代にかけて活躍してきたグラフィック・デザイナーの手による版画約40点を紹介する。
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