齋藤陽道『よっちぼっち家族四人の四つの人生』
(暮しの手帖社)
2023年11月、写真家・齋藤陽道さんによる写真とエッセイ『よっちぼっち 家族四人の四つの人生』が発売された。雑誌『暮しの手帖』の2019年夏号から4年にわたり連載されていたもので、ろう夫婦である齋藤さんと妻・まなみさん、2人の間に生まれた“聞こえる子ども”である樹さん・畔さんとの日々がフルカラーの写真とともに綴られている。
装丁を手がけたのは名久井直子さんで、齋藤さんからの指名だった。カバーには家族を象徴するかのように、4つの器が並ぶ。「過去に手がけた本の模様のようなものを気に入ってくださっていると聞いたのですが、なかなか思い浮かばなくて。文章と写真の本なので、それがわかる本にできるかという点も悩みました。最終的には“家族そのもの”を形にしようと考え、器は家族一人ひとりを表しています」(名久井さん)。
あと58%