
〇企画制作/鈴木成一デザイン室 〇装丁/鈴木成一、宮本亜由美
2023年8月23日に幻冬舎から発売された、下村敦史さんのミステリー短編集『逆転正義』。そのタイトルの通り、“正義”が“逆転”してしまうような驚きのある物語が6話収録されている。装丁を手がけたのは、鈴木成一さんと宮本亜由美さん(鈴木成一デザイン室)。下村さんの作品の装丁を担当するのは、『同姓同名』(幻冬舎、2022年)に次ぐ2作目だ。
担当編集者からは「小説の内容のように、読者をあっと驚かせるようなデザインをお願いしたい」と依頼があった。鈴木さんはそれに対し、「構造とビジュアル、2つの側面からアプローチした」と説明する。
構造としては、通常は下部に付いているはずの帯を上に付けることで「逆転」を表現する、というアイデアが出発点となった。ただ普通の帯は製本の工程上、下がってしまうため…
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