デザインチームのminna(ミンナ)から、最近の活動について報せが届いた。阪急うめだ本店で開催された「ファミリア」のポップアップ「みらい百貨店」や、熱海発の削り節ブランド「BUSHI MESHI( ブシメシ)」のデザインなど、おもしろそうな仕事が詰まっている。最近のプロジェクトの話を聞きに行った。
仕事と生活がループしている
minna(ミンナ)は、角田真祐子さんと長谷川哲士さんの2人が2009年に立ち上げたデザインチーム。グラフィックに限らず、プロダクトや空間までトータルに手がけていて、数々のデザインワークはポップで楽しい空気に包まれている。
2人はプライベートでもパートナーであり、取材当日、角田さんは3人目のお子さんの出産間近ということで、長谷川さんのみにお話をうかがった。「以前は事務所と住まいを分けていたのですが、コロナ禍をきっかけに、2人の子どもと一緒に暮らしながら仕事する生活スタイルを実験的に始め、予想以上に良い方向に働いています」(長谷川さん)。暮らしや子育てとデザインが繋がり、新しい発見があったり、刺激が生まれたり、さまざまな効果があるという。「公私混同という言葉はネガティブに使われることが多いのですが、“公私混合=公と私を混ぜて合わせる”は、とてもポジティブなことと捉えています」。
私もクリエイティブに関わる領域で、仕事と家庭をきっちり区分するのは難しいと以前から思っていたので、長谷川さんの“公私混合”には大賛成。が、実際のところ、続けるのは容易ではないのかも――踏み入って聞いたところ、「正直言って大変なこともあるのですが、それを超える勢いで良かったと感じることが多いです。たとえば子どもとの散歩の時間の中で仕事のアイデアが浮かんだり、子どものリアクションが仕事のブラッシュアップに繋がることも」と頼もしい答えが返ってきた。
そしてこれは「子ども目線でデザインを捉えられるようになった」「生活実感が仕事に反映されるようになった」といった文脈だけに留まらない。子どもと関わりながらデザインすることで、おのずと遠い未来に思いを馳せる、発想の枠組みを超えてみる、正しいより楽しいを選ぶといったように、想像や創造が広がっていく――そんなところに...