2011年、なでしこジャパンがFIFA女子ワールドカップで優勝し、日本中が歓喜に沸いた。そこから10年の月日が流れた2021年秋、日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が誕生する。

WEリーグのロゴ。
スポーツとして格好良く、力強く
「議論を始めたのは、約3年前のこと。最初に話したのは、女子サッカーという『競技』に限定した話では、現状のファン以上の広がりが生まれにくい、という課題でした」と電通 クリエイティブディレクター 佐々木亜悠さん。子どもたちの「将来の夢」にまつわるデータを見ても、男女のスポーツに対する意識の差は明らかだ。日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が発表する「小学生『将来なりたい職業』ランキング」(2020年度)を見ると、女子の上位に、スポーツ選手はなかなか挙がってこない。一方男子は、サッカーや野球選手が上位にくる。
「サッカーも他のスポーツもプロリーグが男子にはあるけれど、女子には無いケースが多い。これが知らず知らずのうちに夢を狭めているかもしれないと思ったんです。女子初のプロサッカーリーグが、女の子の夢の選択肢を広げる象徴になれるんじゃないかと。そしてこの想いには、高校生の女の子、主婦などサッカーに直接関わっていない女性や、将来娘を持つかもしれない男性もきっと共感してくれる。そこで、女性をエンパワーメントするという、コンセプトが生まれました」(佐々木さん)。それが、「Women Empowerment League」、略して「WEリーグ」だ。
「Simple&Bold」「Diversity」「Courage」の3つがデザインにおけるコンセプトワード。「ロゴは、力強くシンプルなオリジナル欧文書体『WE Font』で文字を置き、サッカーボールや日本を象徴するドットを足しました。ブランドカラーに選んだのは、ゴールドと黒という渋い組み合わせ。旧来の...