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コロナ禍で変わる制作現場と広告コミュニケーション

リモートCMで力を発揮する インフルエンサークリエイター

Sony Music 『ラブとポップ~大人になっても忘れられない歌がある~ mixed by DJ 和』 「おうちでラブとポップ」篇

YouTuber 芸人フワちゃんがm-flo「come again」、I WiSH「明日への扉」など2000年代を彩った名曲の数々を歌って踊る。一見普通のPVかと思いきや、撮影中にタピオカを飲んだり、マイクがリモコンだったり・・・。そして最後に、フワちゃんが放った言葉は「ごめーん、超合成」。このCMが合成で制作されたことが明らかにされる。

リモートであることを企画にしない

「当初リモート制作ではない別の企画が動いていました。しかし、3月下旬のタイミングでスタッフや出演者の安全を第一に考えると通常の撮影は難しそう、と。緊急事態宣言の前でしたが、状況が悪化するかもしれないという不安がありました。そこで、できる限りリモートで完結する企画を模索し始めました」と、電通 コピーライター/CMプランナー 有元沙矢香さんは話す。

しかし、リモートでの企画に切り替えた当初は「『リモート制作』が目的になってしまっていた」と、電通 CMプランナー/キャンペーンプランナー 明円卓さん。「本来リモート制作は手段で、目的ではありません。リモートでも撮影できることを考え、初めはフワちゃんが自宅で歌っているという企画でした。ただ、リモートでつくられたというだけでは、次第に驚きもなくなるはず。リモートを活用することでできる表現を考え、今のかたちにたどり着きました。普通のCMかと思いきや、実はリモート制作だったという驚きを与えられたと思います」。

企画が決まった翌週には、フワちゃんも交えてのオンラインミーティング。自宅での撮影を快諾、自ら衣装を提案してくれるなど、フワちゃんの協力もあり、会議はスムーズに進行した。

課題は撮った映像のリアルタイムな確認

リモート撮影で、通常の撮影と大きく異なる点が撮影の機材や場所。今回はフワちゃんの自宅で、グリーンバックを背景に、小型業務用カムコーダーSONY PXW-Z90で撮影した。カメラは、使いやすく、YouTuber フワちゃんが持っていても違和感のないものを選択。しかし、新型コロナウイルス感染のリスクを配慮すると、そのままフワちゃんの家に搬入してよいのかと問題に。そこで、十分にアルコール消毒をした上で搬入。一つひとつケアしながら進めた...

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