IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

コロナ禍で変わる制作現場と広告コミュニケーション

どこまで何ができる? リモート制作において知っておきたい法律

福井健策(骨董通り法律事務所)

人が集まっての撮影ができず、リモートでの撮影やアニメーションを活用したCM制作が増えている。しかし、その際の法律的な制約についての知見はあまり知られていないのではないか。そこで、骨董通り法律事務所 弁護士 福井健策さんにリモート制作時に、気を付けるべきことを聞いた。

法律を怖がりすぎずに挑戦してほしい

──広告のリモート撮影の際、どんな点に気を付けるべきでしょうか。

ひとつは、映り込みです。著作権法では、「軽微」「分離困難」などの考慮要素によって映り込みを許しています(著作権法30条の2)。例えば「街角の風景をビデオ収録したところ、本来意図した収録対象だけでなく、ポスター、絵画や街中で流れていた音楽がたまたま録り込まれる場合」が認められます。たまたま録り込まれたり、ポスターや絵画などは個人で動かせない場合は「分離困難」として認められやすくなります。

しかし、CM撮影の場合、制作者の意図でコントロールできる部分が大きく、「映り込み規定」の適用はそれなりに厳しいと思います。街角や相手先を訪問して撮影するような企画であれば余地はありそうですが、多くの場合はやや厳しいでしょう。危ないと感じた場合は、ぼかすなどの対応が必要です。

例外として、建築物やハチ公像などのパブリックアートは、ほぼ自由に利用できます(46条)。しかし...

あと66%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

コロナ禍で変わる制作現場と広告コミュニケーション の記事一覧

新型コロナで変容する海外広告(2)
新型コロナで変容する海外広告(1)
どこまで何ができる? リモート制作において知っておきたい法律(この記事です)
リモート収録で近づく リスナーとパーソナリティーの距離
リモートCMで力を発揮する インフルエンサークリエイター
今だからこそ自分で声をあげ 新しい映画をつくる
テレワークドラマで描く今だからこその人間模様
ブレーンTopへ戻る